南アフリカW杯
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岡田ジャパンに観客3500人Ｃロナに勝った

: 練習場で観客にプレゼントを投げ入れる、左から闘莉王、本田、岡崎

　【ジョージ（南アフリカ）＝７日】うれしいやら…騒がしいやら…。岡田ジャパンが、キャンプ地ジョージで熱烈な歓迎を受けた。練習を公開した合宿２日目、大勢の地元住民が詰めかけた。日本協会の発表では約３５００人。スーパースターのＣ・ロナウドを擁するポルトガルの現地合宿初日（６日）を上回る「サポーター」が集結した。アフリカの応援楽器ブブゼラの音が響き、地元ラジオ局が練習をオンエア。Ｗ杯４強を目標に掲げながら低迷する日本だが、現地の期待は想像以上に高い。

　アフリカの熱気はすさまじい。練習が一般公開されたこの日、日本代表の選手らがスタジアムに到着すると異様な光景が広がった。８割近く埋まったスタンドの地元住民が、一斉に立ち上がってスタンディングオベーションで出迎えた。大歓声とともに応援楽器ブブゼラが、ブーブーと大音響を奏でる。岡田武史監督（５３）はピッチ中央付近まで歩を進めると、目を丸くしてスタンドを見つめた。

　うれしいやら、騒がしいやら…。指揮官の指示も、選手間の会話も声がなかなか届かない。駐車場は練習３０分前から満車で、練習場へと続く道に路上駐車する人たちがあふれた。スタジアム横には、地元ラジオ局「９４・５ＦＭ」が即席スタジオまで設置して、練習をオンエア。アフロヘアの同局スタッフは「ケープタウンからジョージまで（南アフリカ）南部に放送するんだ。生放送するのは日本とフランス、デンマークだけだ。Ｗ杯が来るんだぜ。オレたちは興奮しているんだ」とマイクを握りしめてしゃべり続けた。

　練習前には、ジョージの女性市長メルシア・ドラフンデルさん（５２）が、まるでコンサートのように「ガンバッテ！　ニッポン！」と絶叫。サポーターもそれに呼応して、叫び続けた。協会広報は「（地元観光局から）７０００人近くが来ると言われました。これからどれだけ集まるのか。想像もできません」と話していたが、実際に集まったのは３５００人。アルゼンチンの５０００人には及ばないが、Ｃ・ロナウド擁するポルトガルの２０００人を超えるファンが集まった。

　過去のＷ杯３大会で、日本代表の練習を見学に訪れた地元ファンは、いずれも多い日で９８年フランス大会は約１００人、０６年ドイツ大会も約１００人。静岡で合宿を張った０２年日韓大会では非公開練習がほとんどだったため、合宿初日に集まった約３００人が最多だった。過去の例と比べると、この日、集まった「地元サポーター」の多さは突出している。

　岡田監督は「お客さんがいっぱい来てくれて、（Ｗ杯本番の）スタジアムの雰囲気を味わうことができた。すごく良かった」と感謝した。ただ、練習を一般公開するのはこの日１日だけの予定だ。今後は徹底した情報統制を敷く方針。スタジアム周辺には、非公開調整のために緑のシートが張り巡らされた。

　それを伝え聞いた地元ファンは「明日からは練習が見られないだって？　アンビリーバブル（信じられない）。クレージーだ…。非公開でもオレは見にくるぜ」とにんまり。これじゃ、秘密主義の岡田監督も落ち着いて練習はできないかも？　とはいえ、国際Ａマッチ４連敗中の岡田ジャパンにとっては、心強いサポーターの登場だった。【益子浩一】

　［2010年6月8日8時16分　紙面から］