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俊輔逆襲宣言「サブに来たわけじゃない」

練習試合で1点目のゴールを決める中村俊(撮影・栗山尚久)
練習試合で1点目のゴールを決める中村俊(撮影・栗山尚久)

 5月30日イングランド戦不出場の日本代表MF中村俊輔(31=横浜)が「逆襲」を宣言した。左足首痛の影響もあり、スイス入りしてから、サブメンバーとして、紅白戦などでレギュラー組の練習台に徹してきた。同31日に行われた地元チームとの練習試合前には、MF稲本潤一(30)と中村憲剛(29)に「オレたちはサブで来てないぞ」と宣言。2得点と結果を出した。イングランド戦の結果を踏まえ、選手の間から「俊輔待望論」も噴出した。

 数々の逆境に打ち勝ってきた司令塔に、岡田監督の戦術変更なんて、はね返せないわけがない。「復活の2発」から一夜明けた1日、中村俊は午前練習を免除された。足場の悪いなか、90分間フル出場。5月24日の韓国戦で古傷の左足首痛を悪化させたが、周囲の不安を一掃した。

 5月31日、イングランド戦先発以外のメンバーの1人として、若手主体の地元FCシオンのBチームとの調整試合に出場。試合前、長年第一線で苦楽をともにしたMF稲本と中村憲を呼んだ。「オレたちはサブで来てない。お互いに頑張ろう」。自分に言い聞かせるように、珍しく闘志をむき出しにした。

 前半は4-2-3-1システムの右MFで、後半は2列目の中央でプレー。前半と後半に1点ずつマークした。岡田監督は「ピッチが狭くて下が悪くて難しかったが、俊輔は90分できたし、足は問題ないと思う」と評価。プレーに精彩を欠く場面もあったが、中村俊も「軟らかいピッチでフルにできたことは大きい」と復調の手応えをつかんだ。

 代表では、トルシエ時代以来、味わったことのないサブ扱いだ。スイス入り後の紅白戦やミニゲームでは、2トップ対策である4-1-4-1システムの相手役として練習台に徹した。表には出さないが、プライドが傷ついたのは事実。一方で、非公開で行われたイングランド戦前日の紅白戦では、サブ組の右MFとして右サイドで起点をつくり、レギュラー組に2-0勝利を収めるなど、順調に復活の道をたどっている。

 そのイングランド戦。1-2で逆転負けしたが、日本代表は守備重視の戦いで大善戦した。ベンチで試合を見守った中村俊は「みんな下がってブロックをつくって根気よく守って、なるべく少ないタッチで速攻を仕掛けていた。自分が入ったらこうしたいというイメージはあるけど、あまり言いたくはない」と言葉を選んだ。

 同戦前後に、レギュラー組からは「俊輔待望論」が出始めた。DF闘莉王は「我々の中でワールドクラスの選手は俊輔だけ。早く戻ってほしい」と言い、試合後MF大久保は「俊さんは、前でタメがつくれるし、俊さんがいればもっと攻撃的に展開できたと思う」と続けた。他にも複数の選手が「俊輔復活」を望んだ。

 W杯1次リーグ初戦のカメルーン戦(14日、ブルームフォンテーン)の2週間前に噴出した「俊輔待望論」と、エースの復活。さらに控えめな男の珍しい逆襲宣言。ベスト4を狙う岡田ジャパンにとって、明るい材料なのは確かだ。光明をより確実なものにするために中村俊は、先発濃厚なコートジボワール戦(4日)で再び輝きを放つことが必要になってくる。【盧載鎭】

 [2010年6月2日8時33分 紙面から]


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