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オシム氏、日本代表に提言4カ条

5月30日、イングランド戦に熱視線を送るオシム氏(撮影・栗山尚久)
5月30日、イングランド戦に熱視線を送るオシム氏(撮影・栗山尚久)

 【グラーツ(オーストリア)5月30日(日本時間同31日)=菅家大輔】前日本代表監督のイビチャ・オシム氏(69)が、岡田ジャパンに緊急提言を行った。30日に日本がイングランドに1-2で惜敗した試合を生観戦した。強豪相手の善戦を収穫としながらも、後半25分以降の戦い方に問題があったと指摘。試合展開に応じた押し引きや右サイドの活用法など、W杯1次リーグ突破に向けて、具体的な助言を与えた。

 静かに、独特のフレーズでつむぎだされる名将の言葉には重みがあった。「今日は大きな収穫があった。イングランド相手にコンプレックスを持たず、強い姿勢を持って戦えた。そんな日本を見たのは初めてです」。オシム氏は、まずは日本の戦いを称賛した。

 だが、苦言の部分が岡田ジャパンにとって「金言」になった。90分のうち70分(後半25分)までは試合の流れを握った日本だったが、残り20分で運動量が落ち、オウンゴールで2失点。「世界クラスの試合は最後まで走りきれるかで半分は結果が出る」と話すオシム氏は、それを実現させるためのヒントを挙げた。

 オシム氏 大久保は前半15分で6回もダッシュした。長友もそう。長谷部、阿部が体力がある時まではボールを支配していた。ただ、残り20分はもたなかったこと。残り20分を集中して走りきるための練習している時間はない。あるとすればメンタル。1-0で勝っていたのに、前に行って取られて戻って、を繰り返した。戦術的にいつ行って、いつ行かないのか。共通意識を持って試合の流れを変化させれば、90分ではなく120分間でもいける。

 ポジション別にも課題を挙げた。右サイドバックに入ったDF今野の安定したプレーを評価しながらも「現代サッカーはサイドの攻防が鍵。今日は右サイドの運動量、スピードが足りなかった。今野ではなく駒野でもよかったかもしれない」と明言。FWについても「前線に放り込んでボールが収まる選手がいないのが残念。小さい選手たちが勇気を持って頑張ったが、勇気だけでは十分でない場合がある」と続けた。

 5月29日にはカメルーン-スロバキア戦を観戦。デンマークの親善試合もテレビでチェックした。だからこそ「デンマークは予想以上にタフ。やっかいなチーム。まず走る。そして競り合いに強い選手、(点につながる)危険なプレーを考えている選手が多い」と断言。カメルーンについては「スロバキア戦を見て、あれがカメルーンの実力と信じるのであれば、そんな試合は見なかった方がいい。カメルーンの力はあんなものではない」と警戒した。

 日本の課題、W杯勝利へのヒント、敵国の分析。「オシム語録」は5月24日の韓国戦後に進退伺を出した岡田監督への助言へとつながった。長い監督生活を送りながら、オシム氏自身もプレッシャーへの対処法は答えが出ていないという。ただ、こう続けた。

 オシム氏 W杯はテンションが上がるもの。それを自覚して、不用意な行動を取らないことが大事。日本は初出場の選手が多く、チャレンジの場として前向きにとらえて取り組むチャンス。挑戦者と思えば、取り組み方は変わる。

 45分間の会見を終え、立ち上がる間際に、オシム氏は「今日の試合で日本は世界チャンピオンになったわけではない」とクギを刺した。苦言も日本への愛情の裏返し。試合中に降っていた雷雨はやみ、会見後には大きな虹が空にかかった。名将の日本への期待を表すかのように。

 [2010年6月1日9時45分 紙面から]


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