南アフリカW杯
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俊輔「冗談」じゃ済まない、選手だけ会議

: 軽めのランニングで調整する中村俊（撮影・鹿野芳博）

　日本代表ＭＦ中村俊輔（３１＝横浜）が、チーム立て直しのため緊急ミーティングの開催を呼び掛けた。韓国戦の完敗から一夜明けた２５日、代表メンバーはさいたま市内で国内最後の練習を行った。強い危機感を持った中村俊は、２６日からのスイス合宿中に、選手だけでのミーティング実施を明言。中村俊の呼び掛けに、ＧＫ川口能活（３４）ＤＦ長友佑都（２３）らも賛同した。

　大黒柱がチーム立て直しを決意した。中村俊は練習開始直後、ウオーミングアップのランニング中に、隣で走る長友に声を掛けた。「向こうに行ったら、みんなで話す機会をつくろう。選手だけで話す時間が絶対に必要だから」。スイス合宿中に緊急ミーティングの開催を呼び掛けた。

　「（現地に）着いてすぐは忙しいから２日ぐらい後でやりたい」。完敗した韓国戦は、日本の持ち味とされる連係が機能しなかった。中村俊は「意思の疎通が大事。それはどこのポジションであっても変わりはない」と言い、ミーティングではポジションにこだわらず、連係強化をテーマに話し合いを進めるつもりだ。

　長友のほか、チームキャプテンの川口や守備を統率するＤＦ中沢らにも呼び掛け、賛同を得た。長友は「向こうに行ったら、そういうことがどんどん増えていけばいいと思う」。中沢も「そういうことは、おれたち（３０代の）オッサンがしっかりやっていかないと」と話した。

　中村俊はジーコジャパンのメンバーとして出場した前回ドイツ大会で、意思疎通の大切さを痛感した。そして、今回の岡田監督の進退伺発言。「岡田監督が『大きな仕事をおれが投げ出すわけがない』と話していたが、そんなことは分かっていますという感じ」と冷静だったが、Ｗ杯本番まで２０日を切ったこの時期にしては異例の騒動。南アフリカ大会に臨むにあたって「チームの雰囲気が悪くなりかけた時、自分に何ができるか」と話しており、自主的な緊急ミーティングの発案は、さまざまな危機感から生まれたものだった。

　韓国戦では痛めている左足の影響もあって、低調なプレーに終始した。前夜の試合後、これまでしてこなかった注射による治療も試みた。「心配だ」という内容の電話やメールも多数届いたという。それでもこの日は「下を向いているのは今日まで。次に何をしなければいけないか整理はできた」ときっぱりと話した。

　［2010年5月26日8時35分　紙面から］