南アフリカW杯
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本田散々な結果も「変えない」／親善試合

: 後半、ＭＦ本田（右）とＭＦ中村俊（左）は李青龍と競り合う

＜キリンチャレンジ杯：日本０－２韓国＞◇２４日◇埼玉

　支柱として期待されたＭＦ本田圭佑（２３＝ＣＳＫＡモスクワ）は、自身のプレーに不満を漏らしながらも「優勝という目標は変わらない」と強気の姿勢を崩さなかった。

　ピッチで輝けなかったが、本田はどこまでも本田だった。シュートは２本だけ。ともに難しい体勢から強引に放ったもの。相手の脅威になれず、決定機を作り出すこともできず、後半２７分に退いた。それでも前を向き、言い切った。

　本田　ボク自身もそうですし、確実に個人で負けていた。Ｗ杯でも（相手とは）これくらいの差がある。でも優勝と言っている。それは変えません。こんな散々な結果ですけど、カメルーン戦には勝ちます。

　３月のバーレーン戦（豊田ス）に続き定位置となったトップ下で先発。ほぼ「ＦＷ」として、時に１トップのＦＷ岡崎より高い位置でプレーした。しかし、ボールがこない。「いろんなもののせいにしたいくらい、ボールが収まらなかった」。前を向いてボールを持てない。中盤まで下がって受けようとして、名古屋時代の同僚ＭＦ金正友につぶされた。飛び道具のＦＫも１度も蹴るチャンスがなかった。試合後は、自分をののしり感情を爆発させた。「最後までマークされ、何もできないまま終わってしまった。今日は申し訳ない。そのひと言です。完敗でした」。素直に負けを認めた。

　この状況下で「優勝」－。２３日に相手ＭＦ朴智星に失笑されもした。寝言と言われても不思議はない。だが、本気も本気だ。Ａ代表入りする前、プロ２年目の０６年だった。当時名古屋にオランダ人のフェルフォーセン監督が就任。始動前に全選手に目標を書いて提出させた。本田だけが「Ｗ杯優勝」と書いてきた。

　当時より世界に近づいている。欧州ＣＬの決勝トーナメントで日本人初ゴールも決め世界基準を肌で感じもした。１度掲げた目標を格下げするほどヤワじゃない。２３日は失笑した朴もこの日「本田は日本にいないタイプの選手。中田英寿よりパワフル」と認めた。試合後は主力と進んで意見交換もした。日本の推進力となれるのは、一切ブレないこの男しかいない。【八反誠】

　［2010年5月25日9時31分　紙面から］