南アフリカW杯
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長友が龍馬になる！俊輔と本田取り持つ

: 日本代表合宿２日目の練習で軽快な動きを見せる長友（撮影・鹿野芳博）

　ＤＦ長友佑都（２３＝東京）が岡田ジャパンの「坂本龍馬」になる。Ｗ杯へ向けて合宿中の日本代表は２２日に、２４日の韓国戦（埼玉スタジアム）に向けて埼玉県内で非公開練習を行った。ムードメーカーでもある長友は、共存が課題とされるＭＦ中村俊輔（３１＝横浜）とＭＦ本田圭佑（２３＝ＣＳＫＡモスクワ）の２人と親しいことから、あの“薩長連合”を成立させた坂本龍馬のように「潤滑油」としても重要な役割を担う。

　非公開練習後、長友が笑顔で切り出した。「ムードメーカーの座は譲れないですね」。チームの主将はＧＫ川口能活（３４＝磐田）に指名されたが、明るいキャラクターを最大限に生かして、盛り上げ役を自ら買って出た。川口も「いいキャラしてますよ」と、長友の“力”を認めていた。

　ひそかにＷ杯の命運を握る存在として注目されている。目標の「Ｗ杯４強」を達成するには大黒柱のＭＦ中村俊と、成長著しいＭＦ本田の融合が不可欠。苦戦が予想される中で、トップレベルの２人の連係面での完成度が高まれば、日本の大きな武器となる。その潤滑油として長友が期待されている。

　長友と本田は北京五輪代表の同期で、盟友でもある。２１日夜も埼玉県内の宿舎で２人で盛り上がったという。「成長するための話をした。ちょっとしたポジショニングのこととか、かなり熱い話になりました」（長友）。この日の練習中も２人で柔軟体操をこなした。

　一方で長友は中村俊を師匠と仰いでいる。中村俊が海外でプレーしていたときも、メールをひんぱんに交換。プレーについて細かいアドバイスをもらい、叱咤（しった）激励された。昨年５月には海外移籍を視野に入れ、中村俊と契約するロベルト佃氏と代理人契約を結んだほど。

　幕末「薩長連合」に導いた坂本龍馬のように、明るいキャラクターで、中村俊と本田の性格を熟知する長友なら、自然と２人がサッカー観を語り合える場をつくれるはず。長友も「いろんな人とコミュニケーションを取って、雰囲気をつくりたい」とチームワークづくりへの使命感に燃えた。

　くしくも愛媛・西条市出身の長友は、土佐出身の龍馬と同じ四国の生まれ。欧州複数クラブが獲得を視野に入れ、「世界の海援隊」を夢見た龍馬と通ずる部分もある。長友「龍馬」が岡田ジャパン躍進のキーマンとなる。【塩谷正人】

　［2010年5月23日8時32分　紙面から］