南アフリカW杯
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憲剛に奇跡１歳８カ月長男、数えた歌った

: 雨の中、日本代表合宿へ向け調整する川崎Ｆの中村憲（撮影・鎌田直秀）

　岡田ジャパンにミラクルの予兆？　川崎Ｆの日本代表ＭＦ中村憲剛（２９）の１歳８カ月になる長男龍剛くんが、パパより一足早く「奇跡」を成し遂げた。１９日に突然、６までしか数えられなかった数が１４に増え、パパの応援歌を急に歌い始めたという。家族がパワーの源という中村憲もこれにはびっくり。２１日の代表合宿開始直前のほほえましい出来事は、果たして日本の吉兆となるか。

　戦闘開始（代表合宿）を２日後に控えた１９日の、中村家の家族だんらんのときだった。１、２、３、４、５、６…。１、２、３、４、５、６…。今まで何度数えても、数字はまだ６までしか数えられなかった龍剛くんが、「パパ１４」といきなり中村憲の背番号を叫んだ。それだけでは終わらない。「オ～　ナカムラ～　ケンゴ～　ナカムラ～♪」。なんとフロンターレでのパパの応援歌まで歌い始めた。

　突然の出来事に、中村憲は加奈子夫人と顔を見合わせた。「感動の涙というよりも、本当にびっくりした。いつも試合見に来たり、テレビで見ているから分かってるのかなあ」。一夜明けた２０日、想像もしていなかったその瞬間を振り返り、目尻を下げた。

　つかの間の休息となった代表合宿開始までの数日間。４月８日に誕生した長女桂奈ちゃんのお宮参りに行くなど、家族サービスに時間を費やした。中村憲にとって、疲れを最も癒してくれるのは家族とのコミュニケーションだ。子供たちがまだ小さいため、直前合宿地のスイス、Ｗ杯会場の南アフリカには呼べない。長期間、離れ離れになるだけに、龍剛くんが起こした「ミラクル」は、これ以上ない刺激になったようだ。

　いよいよ２１日から合宿に突入する。「帰ってきたら今度は何が出来るようになっているのか成長が楽しみ」。小さな体でパパを驚かせた龍剛くん。今度はパパが、目標のベスト４に入って、世界を驚かせる番だ。【鎌田直秀】

　［2010年5月21日9時2分　紙面から］