南アフリカW杯
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岡ちゃん「スッキリ」惨敗で吹っ切れた

: スタッフ会議を終えた岡田監督は報道陣の質問に天井を見ながら思案顔

　若手主体のセルビア代表に０－３と大敗した岡田武史監督（５３）が、開き直った。９日、スタッフ会議あとに「すっきりした。こんなこと言うとまた怒られるけど…」と言い吹っ切れた表情を見せた。欧州の強豪セルビアに力の差を見せつけられ、岡田ジャパンの底上げにも失敗。ファン・サポーターから批判を浴びているが「我々の良さは消さずにやっていく」と基本方針の変更を否定。チームの骨格の維持を宣言した。

　岡田監督の表情は目まぐるしく動いた。惨敗ショックをにじませつつ、能面の無表情さはなかった。まずは週末の視察予定ではＧ大阪ＭＦ遠藤の故障を踏まえ「今はガンバに行きづらい。チームが良くない時に申し訳ないことをした」と時折笑みを交え、謝罪した。

　すぐに気持ちを切り替えた。「我々に選択肢がそんなにあるわけじゃない。方針はある程度固まった。それはありがたいこと。すっきりしている。選手には過酷な思いをさせてしまったが…」。強い個性を求めてＤＦ栗原、徳永らを招集したが、結果を出せなかった。「１＋１＝３になる方が大切だと分かった。これまでのメンバーを代えずにやっていきたい」。

　攻守の切り替え、サポートの速さ、ハードワークの基本方針を踏襲し、それを着実に実行できるメンバーでカメルーン戦に臨む最終決断を下した。

　すでに高地順化への対策にも着手している。「メンバーを発表したあとに、１日１時間とか、マスクを配って低酸素のボンベをつけてやってもらう」。１セット７万～８万もする高価なグッズだが、カメルーン戦の会場ブルームフォンテーン（１４００メートル）対策に着手。低地のキャンプ地ジョージでもこの低酸素ボンベを装着して自転車こぎをして万全の準備をする。

　もう後ろを見る時間はない。犬飼会長が試合直後、報道陣に対して岡田監督への激励を要請した点には、顔を赤らめながら「ショックを受けていたと感じたのは会長の主観だから…。でも、３－０で勝って、会長の前でヘラヘラしている監督はいないよ」と、完全に言い間違いをしながら懸命に言葉を探していた。【井上真】

　［2010年4月10日9時30分　紙面から］