南アフリカW杯
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岡田ジャパン、加地に代表復帰要請へ

　岡田ジャパンがＷ杯南アフリカ大会に向け、０８年に代表引退したＧ大阪ＤＦ加地亮（３０）に復帰を要請することを検討していることが１８日、分かった。現在、代表の右サイドバック（ＳＢ）を担う鹿島ＤＦ内田篤人（２１）が昨年から嘔吐（おうと）感を訴えることがあり、体調面を不安視。０６年ドイツ大会メンバーで実績のある加地の調査に乗り出した。本人の決断次第だが、復帰が実現すれば世界４強を目指す日本にとって大きな戦力になる。

　ジーコジャパンでは不動の右ＳＢだった加地が、代表に戻ってくる可能性が浮上した。岡田ジャパンでは内田が定位置をつかんでいたが、昨年から試合中に嘔吐感を訴えるなど体調面に不安がある。関係者は「内田の状態が決して良くないことから、１月くらいから加地に注目しているようだ。（代表）スタッフからも（加地を）推す声は高まっている」と明かした。

　復帰が実現すれば、２年ぶりとなる。加地は０３年１０月に初招集されて以降、故障以外では代表から外れることはない、絶対の存在だった。しかし０８年５月に「Ｗ杯（ドイツ大会）が終わってから代表での士気が下がってきた。クラブと両方で全力を出し切るのは精神的に難しい」と代表引退を表明。その後も所属のＧ大阪では攻守両面でトップパフォーマンスを維持している。実績、経験とも豊富で岡田ジャパンの強力な戦力になるのは間違いない。

　一方で、復帰実現にはハードルもある。１度は代表引退を表明しただけに、本人の意思が最も重要になる。この日、Ｇ大阪の西野監督は「本人は相当な決断をした。仮にそういう話（復帰要請）があったとしても、本人がどうするか。１度は決めたのだから、そう簡単ではない」と言う。

　それでも関係者は「岡田監督から直接、頼まれれば本人は意気に感じるのではないか」と話した。その岡田武史監督（５３）は１６日のスタッフ会議後に、４月７日の親善試合セルビア戦（長居）での代表招集に触れ、ポイントとして「サイドから攻める時のワイドプレーヤー」と具体的に言った。右サイドを広く使える加地は適任。加地の代表復帰が実現する可能性はある。

　［2010年3月19日8時47分　紙面から］