南アフリカW杯
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エムボマ氏が岡田日本「４強」にダメ出し

: 記者会見でエムボマ氏は、敬礼して会見の席につく（撮影・山崎哲司）

　日本がＷ杯南アフリカ大会１次リーグ初戦（６月１４日）で対戦するカメルーンの元代表ＦＷパトリック・エムボマ氏（３９）が、岡田ジャパンが掲げる４強の目標に「ダメ出し」した。大会を生中継するスカパー！　のメディアアドバイザーに就任し、１２日、都内で記者会見。Ｇ大阪などＪリーグでもプレーし、両国のサッカーに精通する同氏は「日本はベスト８にも入ったことがない。急ぎすぎてはいけない」と指摘。ＦＩＦＡランク４６位の日本に目標を下方修正するよう、たしなめた。

　大の親日家で知られるエムボマ氏も、こればかりは黙っていられなかった。日本代表サポーターを名乗り「日本はすばらしいチーム」「Ｗ杯経験のある監督のもと、いい大会になるだろう」「カメルーンとともにベスト８まで進んでほしい」などと称賛する言葉を並べたが、岡田監督の掲げる「４強目標」だけは、受け入れられなかった。

　エムボマ氏　日本はまだ、ベスト８に入ったこともない。急ぎすぎてはいけない。現実的な目標を持つことが大事なんだ。

　愛嬌（あいきょう）ある人柄から「浪速の黒豹（ひょう）」「ボマちゃん」と親しまれ、日本で生まれた三男には「ケンジ」と名付けるほど日本への愛着は強い。しかし、それとこれとは話が別。自身が２度出場したＷ杯は、どちらも１次リーグ敗退しているだけに、４強以前にグループを勝ち上がる難しさは身をもって理解している。

　エムボマ氏　（Ｅ組では）オランダが抜けている。突出した存在だ。そしてデンマークについてはカメルーンと差がない。でも実際どこが勝ち上がるかは、やってみないと分からない。

　そこに日本の名前は続かない。Ｗ杯を知り、日本とカメルーンを熟知する男の言葉は、しごく「現実的な」ものだった。

　「私のいたころから比べ、日本は成長している。アジアを代表する遠藤、中村俊、松井と中盤にはいい選手がそろう。中沢、闘莉王、楢崎の守りも堅い。カメルーンとも拮抗（きっこう）した、いい試合になることを祈っている」と補足したが、かえって１次リーグ突破さえ厳しい現状が強調される形となってしまった。【佐藤隆志】

　［2010年3月13日9時52分　紙面から］