南アフリカW杯
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本田ロシアへ「ＣＬがＷ杯リハーサル」

: モスクワに向け出発する本田（撮影・野上伸悟）

　日本代表ＭＦ本田圭佑（２３＝ＣＳＫＡモスクワ）が、欧州チャンピオンズリーグ（ＣＬ）をＷ杯南アフリカ大会の「リハーサル」にする。後半ロスタイムにゴールを決めたアジア杯最終予選バーレーン戦（豊田ス）から一夜明けた４日、ロシアに向けて出発した。５月下旬までは所属クラブの試合に専念。日本代表に合流できない間は、世界の強豪クラブが集う欧州ＣＬを「Ｗ杯に向けたリハーサル」と位置付け、さらなるレベルアップを目指す。

　本田が欧州最高峰の戦いの場でＷ杯に向け自らを磨き上げる。ＦＷ起用にゴールで応え、岡田監督を喜ばせたバーレーン戦を終えたばかりだが、気持ちは完全にクラブでの戦いに切り替わっていた。出発前の成田空港では欧州のビッグクラブが集うＣＬに目を向けた。

　本田　レベルの高い試合をすることが自分のためになる。１つ１つの体験がすべて新しい。ゲームに入るメンタル、試合への準備…。そのすべてがＷ杯に向けたリハーサルになっていると思う。

　２月２４日セビリア戦で日本人６人目の欧州ＣＬデビューを果たした。第１戦を１－１で折り返し１６日にはアウェーでの第２戦が待つ。今季は代表の同僚、長谷部のボルフスブルクが１次リーグで敗退したため、勝ち残る１６チームに日本人は本田ひとり。同じ舞台にはＷ杯初戦の相手カメルーン代表ＦＷエトー（インテル）もいる。Ｗ杯の主役候補が数多くプレーしている。

　５月のＷ杯最終メンバー発表まで欧州組が招集される機会はない。連係の向上は難しいが、超ハイレベルな環境で「個」をより強固なものにすることなら可能だ。「勝ち上がることは、たやすいことではない。でも優勝する可能性はゼロではないし、上のステージに行ってその世界も見てみたい」。勝ち上がればＷ杯までそんな環境に身を置き続けることもできる。欧州でゴールという結果にこだわってのし上がる男は貪欲（どんよく）だ。

　バーレーン戦では中村俊との連係など新たな可能性を感じさせた。攻撃の改善点について「すべてですよね。もっとお互いがどうしたいかを理解したいし、お互いが要求し合うべきだと思います」。代表を離れ、自分のため日本のために欧州でのリハーサルから「Ｗ杯４強」へ向かう。【八反誠】

　［2010年3月5日9時2分　紙面から］