南アフリカW杯
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俊輔、本田生かす「迫力あるのはアイツ」

: 前日公式練習でボールを追う（左から）本田、遠藤、松井、中村俊

　日本代表ＭＦ中村俊輔（３１＝横浜）が「ＦＷ本田」を生かす。３日のアジア杯予選バーレーン戦（豊田ス）に向け、日本は２日、冒頭１５分間だけ公開して最終調整。８年ぶりに国内組として代表戦に臨む中村俊が中盤の右、本田圭佑（２３）がＦＷに近いトップ下での先発が濃厚になった。昨年９月のオランダ遠征でＦＫを巡り“対立”した２人の同時先発は、０８年６月２２日バーレーン戦以来。「俊輔＆本田」システムが機能するか。日本浮上の命運が、２人に託された。

　「ＦＷ本田」が生きるか、それとも消えてしまうか。岡田ジャパンの秘策が機能するかは、中村俊にかかっている。非公開で行われたこの日の実戦練習で、右サイドに入った中村俊は、よりＦＷに近いトップ下に入った本田との連係を確認した。中盤が本職の本田は、前線で孤立してしまう危険性すらある。司令塔中村俊が、どう動かすかがカギを握る。

　中村俊　本田が何をするか中ぶらりんで、足元で（パスを）もらう感じになっている。周りが気を使わないと（本田が）消えちゃうかも知れない。（ＤＦの裏に）抜ける動きをしないとダメだよね。（中盤より）ＦＷだと考えた方がいい。その方が割り切ってプレーできるから。ゴール前で迫力があるのは岡ちゃん（岡崎）かアイツだから。

　２人の同時先発は０８年６月２２日バーレーン戦以来、約２年ぶり。昨年９月のオランダ遠征でＦＫを巡り“対立”してからは初めてだ。日本は国内組だけで臨んだ２月の東アジア選手権で低迷。岡田監督の指導力に疑問符が付いた。下降気配の日本を救うのは、欧州で結果を残している２人しかいない。

　「俊輔＆本田」システムが機能することを岡田監督も期待した。「俊輔には俊輔の特長があるし、本田には本田の特長がある。お互いが理解して、お互いの良さを生かし合うことが大事」。仮に敗戦なら、再び岡田監督の指導力が問われる。２人が岡田ジャパンの命運を握っているのは確かだ。

　バーレーン戦の重要性を知っているからこそ、中村俊は体調面に気を配る。横浜に復帰し、２月２８日に帰国したばかり。この日の練習後には、短時間で時差ぼけを解消し万全の状態で出場するため、睡眠薬を服用していることも明かした。

　中村俊　いつもは飲まないけど（帰国から）中２日しかないから（前夜に）睡眠薬を飲んだ。試合後に欧州に戻る時は、そのまま（時差ぼけを抱えたまま）の方がいいんだけど、今回は日本に残るから。時差を戻さないといけないから。

　海外組では体内時計を調整する必要はなかった。だが横浜に復帰した以上、日本時間に体を慣らさないといけない。

　エスパニョールでは出場機会が減り、右太もも裏痛で長期離脱した。アジア杯予選の消化試合とはいえ、試合感覚を戻す貴重な実戦だ。Ｗ杯開幕まで３日であと１００日。俊輔にとっても、代表にとっても大事な一戦になる。【益子浩一】

　［2010年3月3日9時39分　紙面から］