南アフリカW杯
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本田がＦＷに！得点力不足に岡ちゃん期待

: ＰＫ練習をする本田（撮影・鹿野芳博）

　瀕死（ひんし）の岡田ジャパンが、ＭＦ登録の本田圭佑（２３＝ＣＳＫＡモスクワ）をＦＷに「コンバート」して難局を乗り切る。日本代表は１日、愛知県内でアジア杯最終予選バーレーン戦（３日、豊田ス）に向けた合宿を開始。岡田武史監督（５３）は戦術練習で本田をＦＷ組に配置し、バーレーン戦での起用もほのめかした。得点力不足にあえぐ日本代表が、欧州でゴールを重ねている本田の左足にかける。

　本田が練習でいきなりＦＷにコンバートされた。岡崎、平山らとＦＷ組の青いビブスでボールを追う。これまでの定位置はＭＦ。ゴール欠乏症で東アジア選手権３位に終わった岡田監督は「彼の良さは得点力と体の強さ。真ん中の方が生きるんじゃないか」と欧州ＣＬを戦ったばかりの男に期待した。右ＭＦ中村俊との共存も可能。本田も「チームでもトップ下だけど、ＦＷみたいなもんだから」と目をぎらつかせた。

　欧州に渡り得点を重ねることで周囲に力を認めさせてきた。２月２４日には欧州ＣＬセビリア戦で世界最高峰の舞台にもデビュー。この日帰国したＭＦ長谷部は「（ＣＬで）本田は今までにないくらい走って、いいプレーをしていた。（ボルフスブルクの）チームメートも『日本にも良い選手がいるじゃないか』と言っていた」と話した。

　代表でも「オレは点を取るだけ」と同じやり方を貫き通すという本田は、新天地ロシアから２月２６日に早々と帰国。土地勘のある愛知に入ると自ら練習場所を探し、２７日は会場の豊田スの隣にある芝生広場に足を運んだ。だんらんする家族連れを横目に黙々と走り込んだ。そして合宿初日からいつも以上のピリピリした雰囲気を漂わせた。

　逆風にさらされている代表の現状は耳に入っている。「日本代表はシュートを打たないが？」と問う報道陣には持論をぶった。「今ごろになってそんな問題が上がっているのはおかしい。今の日本はパスサッカーがテーマ。良いところも見てもらわないと。Ｗ杯まではポジティブに行きましょうよ」と理解を求めた。

　「オレは救世主じゃない」と繰り返しつつ「１発（得点）を求められているのは分かっている。オレはタイプが違う。どれだけ危機感を持って試合に臨めるか。言い訳は許されない」。５月のＷ杯メンバー発表まで、海外組の合流はおそらくこれが最後。金髪の異端児は自分で自分にプレッシャーをかけていた。【八反誠】

　［2010年3月2日8時58分　紙面から］