南アフリカW杯
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“凱旋”本田一番乗り帰国も珍し口数少な

: 帰国したＣＳＫＡモスクワの本田

　ＣＳＫＡモスクワの日本代表ＭＦ本田圭佑（２３）が、３月３日アジア杯予選バーレーン戦を、レギュラー奪取への足がかりにする。２６日に海外組一番乗りで帰国。成田空港では、珍しく言葉少なにタクシーに飛び乗り、２７日以降の自主トレに備えた。同戦は本田にとって、５月のＷ杯メンバー発表前最後の合流チャンス。初の欧州チャンピオンズリーグ出場を弾みに、早期帰国で岡田監督の視線を引きつける。

　本田にしては静か過ぎる「凱旋（がいせん）」は、レギュラー奪取への決意の表れだった。成田空港に降り立った本田は「あまり時間がないので」とつぶやき、足早にタクシー乗り場に向かった。２５日に欧州ＣＬ決勝トーナメント１回戦、セビリア戦に先発。移籍後初の公式戦ながら、物おじしないプレーで、あっさり司令塔の座を固めてみせた。それでも「自分は救世主ではないし、レギュラーさえとっていないから」と首を振った。

　本田は日本代表のチーム内でも、不動のＦＫキッカー中村俊に向かい「自分に蹴らせてください」と一歩も引かずに主張するなど、言いたいことははっきりと言ってきた。報道陣に対しても、試合後のミックスゾーンに誰よりも早く現れ、チームバスの出発ぎりぎりまで取材対応をするなど、いつも惜しまずコメントをしてきた。

　それが今回は、１度も立ち止まらない。「合宿初日からアピールしないと。日本への到着を早めてきているので、そのアドバンテージを生かしたい」と付け加えただけだった。バーレーン戦は海外組にとって、Ｗ杯メンバー発表前最後のチーム合流機会。レギュラー奪取へ向けたアピールのラストチャンスに、本田の気持ちは早くも向けられていた。

　日本代表ではキーマンの１人、川崎ＦのＭＦ中村憲があごの骨折で戦線離脱。それだけに、セビリア戦での活躍を見た岡田監督も「チャレンジ精神がすばらしい。もっとやるのではないかと思わせる」と期待を高めている。「多分今日はゆっくりするけど、明日からは準備に入るつもり」と本田。入念な調整で、念願のレギュラー獲得に挑む。【塩畑大輔】

　［2010年2月27日8時33分　紙面から］