南アフリカW杯
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岡田日本、優勝こだわりブーイング封じ

: 室内での練習で選手に指示を出す岡田監督（中央）（撮影・鹿野芳博）

　吹き荒れる逆風を止めたい。東アジア選手権は１４日に最終日を迎え、日本代表は国立競技場で韓国と対決する。同率首位の中国次第では、大量点で勝利しなければ初優勝に届かない。ただ、岡田武史監督（５３）は「（優勝に）こだわっている」と結果にこだわる姿勢を見せた。何より怖いのは周囲から受ける逆風に伴うチーム崩壊。Ｗ杯への過程と考えても、結果が必要な一戦となる。

　吹き荒れる逆風も、避けたい気分だろう。千葉県内で行われた前日練習は、気温３度と低い上に風が強く、みぞれも降っていたため室内練習場で行われた。ボール回しなどで体を動かし、非公開でセットプレーの確認をして約１時間で終えた。練習は、寒さや風をしのぐことができた。だが、日ごとに強くなる代表チームへの逆風は、結果なくして避けることはできない。

　優勝のためには、１４日の韓国戦は、勝利は当然のこととして、中国の結果次第では大量点が必要となってくる。岡田監督は「バランスを崩して攻めれば、かえって自滅する。そういうことがないようにしたい」と、攻撃重視の策を否定した。選手に対しても「点差は考えず、勝利を目指そう」と話している。ただ、優勝への思いを問われると「こだわっています」と、はっきりと口にした。

　今回の優勝は、栄誉以上にチーム崩壊を防ぐ意味がある。２日の親善試合ベネズエラ戦後には日本協会の犬飼会長から酷評された。今大会は０－０の中国戦、３－０で勝利した香港戦後には観客からブーイングを受けた。Ｗ杯４強という目標から遠ざかる一方の展開に、ファンだけでなくチーム内でもストレスが募っている。主力からは「今のままではいけない」という言葉が相次ぎ、香港戦では業を煮やした闘莉王が前線まで攻め込んで行った。

　岡田監督は「相手の力関係や流れを判断していると思っている。闘莉王も分かっている」と信頼感を口にするが、結果が出なければ指揮官の言葉は説得力を失い、チームの統制は取れなくなる。そうなれば進退問題に発展せずとも、先行きは真っ暗になる。

　ＭＦ遠藤は「周囲に流されることはない。いいサッカーをして、いい結果を出せばいい」と冷静に話した。そう。Ｗ杯へ向かうためにも結果が重要になる。【飯島智則】

　［2010年2月14日8時11分　紙面から］