岡ちゃん必死 格下香港にベストメンバー
日本代表の岡田武史監督(53)がプライドをかなぐり捨てた。日本代表は9日、千葉県内で調整。11日の東アジア選手権第2戦香港戦(国立)に向け、2試合連続無得点と深刻な得点力不足に陥った選手の自信と試合勘を取り戻すため急きょ、中大との練習試合を組んだ。香港戦では控え組のテストを考えていたが、主力組で臨むことに変更。攻撃的MFとして招集したはずの小笠原満男(30=鹿島)をボランチで先発させることも濃厚で、結果を出すため、なりふり構っていられなくなった。
次々と上がる厳しい声に、頑固な岡田監督も心変わりするしかなかった。この日、急きょ、中大と練習試合を組み入れた。中国戦で2試合連続スコアレスドローに終わった翌日の7日に打診したところに、岡田監督の「焦り」がにじみでていた。
「試合感覚を取り戻すには試合が一番」。2日のベネズエラ戦、そして中国戦が0-0に終わっても、「試合内容は決して悪くなかった」と強気だった。一方で、サポーターから大ブーイングを浴び、犬飼会長からも「あのままW杯に行けば、話にならない」と厳しく指摘された。岡田監督も本音では、選手の動きや試合勘に不満があったのだろう。この日は「ベネズエラ戦は動けてなかった。中国戦はテンポが悪かった」と認めた。
もう、なりふり構っていられない。香港戦先発メンバーとみられる練習試合の1、2本目の布陣は、6日の中国戦から稲本と小笠原が入れ替わっただけで、ほぼベストメンバーだった。当初は「香港戦ではできるだけ多くの選手を使いたい」と説明し、MF香川、金崎ら若手のテストの機会と考えていた。FIFAランク137位の香港相手にテストする余裕などなくなった。
小笠原の起用方針も変えた。「攻撃的MFで考えている」と話していたが、練習試合で遠藤とダブルボランチを組ませ、先発させた。「いろいろ試したいから。今野や阿部も良かったし」と、岡田監督ははぐらかしたが、前言撤回せざるを得ないほど追い込まれているようだ。
大学生に10-0と大勝したが、簡単にボールを奪われるなど試合内容は良くなかった。FW岡崎は「攻撃は相手に分かりやすくなっている」と厳しい表情をみせた。香港は初戦の韓国戦で0-5と大敗した。その相手に勝てなければ、周囲の声はさらに厳しくなる。岡田ジャパンにとって、香港戦はある意味「大一番」となった。【奈島宏樹】
[2010年2月10日8時25分 紙面から]
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