南アフリカW杯
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岡ちゃん異例の要請、Ｗ杯戦士へ取材ＮＯ

　日本代表の岡田武史監督（５３）は１８日、５月１７日～１９日に予想される本戦メンバー発表に関し、選ばれた選手への取材自粛を要請する異例の行動に出た。「５月１７日から選手は完全オフにしたい。取材も入れないよう選手に伝える」。カメルーン戦（６月１４日）を前に、代表チームは５月２４日の壮行試合（対戦国未定）が目前に迫る。国内の応援ムードを加速させたい時期に、冷や水を浴びせる取材規制を、代表監督自らが申し出る、異様な事態に陥った。

　取り囲んだ報道陣に向けて、岡田監督は感情を押し殺し低く、ゆっくりと話し出した。「これはどこかで書いてほしいことなんですけど、５月１７日でリーグは休みに入る。（代表選手には）何日か完全オフにしてほしい。プライベートとして、取材も入れないよう選手に伝える」。

　現時点では５月１５、１６日が、Ｊリーグ中断期間前の最終試合となる。２４日に壮行試合があり、２０日には代表合宿開始が濃厚。注目のＷ杯メンバー発表は「大体メンバーは決まってますけど、けが人を考慮してから」とし、１７日～１９日までの可能性が高い。

　報道陣から「選ばれた選手の生の言葉こそがもっともファンの聞きたいものでは？」との指摘に、半分笑いながら「残念ですねぇ～」と軽くいなすような態度で「う～ん、それは残念。まあ、何か他の方法を探すなりしてください」と、はぐらかした。

　取材規制にまで踏み込んだ理由を「家族と（一緒に）いさせてやった方がいいから」と説明。「本来なら、完全オフにしないなら、ガンガンでないにしても、集めて（練習を）やることもあるが、あえて集めないから。過密スケジュールなので、何も入れないでほしい」と、自身の正当性を訴えた。

　だが、最後には「僕には強制力はないから…、あとは上の人がきちんとやってくれるでしょう」と、協会上層部に託した。「選手にもクラブにも言ってない。関係者の言葉として書いておいて」と、代表監督が発信源の事実を伏せたい本音をみせた。

　岡田監督の異例の要請を協会も事前に把握しておらず、いきなり報道陣に見切り発進で要請した。今後は各クラブの広報体制なども含め、大きな混乱が予想される。岡田監督の何げない要請が大きな波紋を呼びそうだ。【井上真】

　［2010年1月19日11時58分　紙面から］