南アフリカW杯
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平山、岡田流「完ぺき理解」南アへ前進

: 帰国した平山は笑顔を見せる（撮影・上田博志）

　南アフリカへ絶対に行く！　日本代表は８日、イエメン遠征からドバイ経由で関西空港着の航空機で帰国。６日のアジア杯予選イエメン戦（サヌア）で３得点の大活躍で勝利に導いたＦＷ平山相太（２４＝東京）が、代表生き残りに自信を見せた。８０年ぶりの代表デビュー戦でハットトリックを決めた平山は「攻撃も守備も完ぺきに理解できた」と堂々と宣言。身長１９０センチという高さと決定力を武器に、岡田ジャパンのＦＷ争いに参戦する。

　８０年ぶりの大仕事は、平山に自信と誇りを与えた。「遠征の疲れはない。攻撃も守備も完ぺきに理解できた」と手応えをはっきり口にした。６日のアジア杯予選イエメン戦は途中出場で３ゴールと大暴れ。Ａ代表デビュー戦ハットトリックは１９３０年（昭５）の若林竹雄（東大）以来。空中戦の強さに加え、決定力の高さも岡田監督に見せつけることができた。

　「岡田流の戦術」を習得できたことが、今遠征で最大の収穫だ。岡田監督からは「サイドには流れず中央にポジションをとるように」と言われ、練習から実践。１９０センチの巨体を揺らし、迫力あるプレスをかけ続けたことも大きなアピールとなった。岡田監督は、２月２日のキリンチャレンジ杯ベネズエラ戦（九石ド）へ向け１月２５日から鹿児島県指宿市で行う代表合宿について「（平山も含め）今回の遠征メンバーの何人かを呼びたい」と明言した。

　「高地も別に気にならなかった」。標高２３００メートルの高地も、荒れたピッチもまったく気にしないずぶとい性格は、国際試合で大きな武器となる。厳重警備のイエメンで神経質になる選手が多くいる中、マイペースそのものだった。１日８時間はぐっすり眠った。帰国後はＭＦ柏木らと関西空港で夕食をとり、うどんをペロリと平らげた。９日は友人の結婚式に出席予定でスピーチを行う。「何を話そうか。よく考えますよ」と笑った。

　１２日から東京の同僚ＭＦ石川らと福岡県内で合同自主トレを行う。「３点取ったからって、浮かれてられないですよ」と気を引きしめた。ポストプレーが得意なＦＷは岡田ジャパンに少ない。岡崎、玉田、大久保、森本ら裏に抜け出すタイプが多く、平山が代表に定着すれば、相乗効果が期待できる。評価を高めた元祖怪物ＦＷが、夢のＷ杯出場へアピールを続ける。【奈島宏樹】

　［2010年1月9日9時53分　紙面から］