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厳重警備の中、練習場に入る日本代表イレブン（撮影・栗山尚久）

　【サヌア（イエメン）４日＝菅家大輔】岡田ジャパンＷ杯イヤー初戦に軍が出動する可能性が出てきた。この日、在イエメン日本大使館がイエメン内務省と同サッカー協会を通じて、試合時の警備の強化を依頼。警備は基本的には警察が取り仕切る予定だが、政情不安によるテロの恐れが残るため、同サッカー協会関係者は状況次第では軍に警備を依頼する可能性を示唆した。

　岡田ジャパンのＷ杯イヤー初戦は厳戒態勢下での試合になりそうだ。４日、在イエメン日本大使館はイエメン内務省、同サッカー協会を通じて試合会場の警備態勢強化を依頼。日本大使館の山口又宏参事官は「既に日本代表側にはイエメンの情報をお伝えしており、私たちは側面的にアシストする形です」と説明した。

　会場の警備は、基本的には警察が取り仕切り、１７００～１８００人の人員が配置される予定。中国での０４年アジア杯で、反日感情の高まりから約３０００人が日本戦の警備にあたったことがあるが、通常の国際Ａマッチでは破格の人数だ。日本代表の宿舎は既に、身分証明がなければ入れないほど厳重警戒が敷かれている。イエメンサッカー協会関係者は「状況の推移次第で軍に会場警備を依頼するかもしれない」と、軍の出動の可能性も示唆した。

　「アラビア半島のアルカイダ」がサヌアでのテロを計画している兆候を得たとの理由で、３日に米英の大使館が閉鎖。この日、日本大使館もビザ発給などの領事業務の受け付けを停止した。山口参事官は「休業は様子見ということで、短期間になると思います。大使館員は働いてますし」と説明し、代表のフォローは引き続き行っていくもようだ。

　テロ組織が潜伏するとされる地方部から都市部に入る幹線道路では厳しい検問が敷かれ、サヌア市内でも日々警備は強まっている。ＤＦ槙野は「勝って無事に帰りたいです」と話せば、ＧＫ西川も「家族には安全面は大丈夫と言いました。勝ちたいし、安全に帰りたい」と続けていた。

　［2010年1月5日8時29分　紙面から］

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