南アフリカW杯
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本田代表生き残りへ「オレはやるだけ」

: スタジアムで体をほぐす左から本田、大久保、徳永らイレブン

　【香港（中国）１７日＝井上真、益子浩一】日本代表のＭＦ本田圭佑（２３＝ＶＶＶ）が、最終テストに臨む。年内最後の国際Ａマッチとなる１８日のアジア杯予選香港戦に向けて最終調整を行い、先発の可能性が高まった。Ｗ杯本大会直前まで、欧州組が招集されるのは来年３月３日の国際Ａマッチデーしかなく、当落線上にいる本田にとって事実上のラストチャンス。０７年５月の北京五輪予選で衝撃の「無回転ＦＫ」を決めた地で、岡田監督の心を奪い取りたいところだ。

　寒風吹く香港スタジアムで、本田が調整のピッチを上げた。初夏の南アフリカと違って冬へと向かう北半球の香港は、気温が１０度近くまで下がった。それでも額から汗を流し、必死にゴールへと向かってシュート練習を繰り返した。少しでも岡田監督の信頼をつかむため、サイドから中央からと持ち味の攻撃力に磨きをかけていった。

　本田　（格下の香港戦は）押し込む時間が増えるでしょうから、シュートチャンスもこれまで以上に多くなる。どんどんシュートを打ちたい。問題はそこ（シュート）までにどう至るか。岡（岡崎）との距離が開きすぎていたら、勢いがなくなる。その辺を意識して、結果にこだわりたい。

　やるしかない。疲労のある中村俊に代わって先発した１４日南アフリカ戦は、不完全燃焼に終わった。得点を挙げるどころか、得意の突破力も影を潜めた。９月のオランダ遠征では中村俊とＦＫを巡って“対立”。仲良し集団の感が否めない岡田ジャパンに「刺激」を与えた。だがその後、代表で中村俊を脅かすまでには至っていない。定位置取りどころか、Ｗ杯本大会の登録メンバー２３人でさえ「当確」とは言えない。

　ラストチャンスだ。Ｗ杯直前まで、欧州組が代表に合流できるのは欧州遠征が計画されている来年３月３日の国際Ａマッチデーしかない。香港戦で結果を出さなければ、３月に呼ばれる保証はない。指揮官も香港戦を欧州組の最終テストと位置づけ、長めの出場時間を与える方針。ＦＷ玉田が右足首痛を抱えており、本田は先発の可能性が高い。

　「オレはやるだけ。やるしかないんでね」。０７年５月１６日、北京五輪のアジア２次予選香港戦。敵地の観衆を黙らせる「無回転ＦＫ」を決めた験のいいスタジアムで、本田が意地を見せることができるだろうか。【益子浩一】

　［2009年11月18日8時47分　紙面から］