南アフリカW杯
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俊輔大移動！18日香港戦先発復帰へ

: ヨハネスブルグ空港で、香港行きの飛行機に乗り継ぐＭＦ中村俊

　【ヨハネスブルク（南アフリカ）１５日＝益子浩一】日本代表のＭＦ中村俊輔（３１＝エスパニョール）が、２万３０００キロの大移動を経て１８日のアジア杯予選・香港戦に臨む。１４日に行われた来年のＷ杯開催国・南アフリカとの試合は０－０の引き分けに終わった。一夜明けたこの日、日本代表は香港戦に向け敵地へ移動。南ア戦前日の１３日にスペインから合流した中村俊は、疲労のため岡田監督に直訴して南ア戦の先発を回避。スペイン～南ア～香港と地球約半周の大移動を乗り越え、香港戦では先発復帰する可能性が高い。

　見えない敵が、中村俊に襲いかかる。南ア戦から一夜明けたこの日、ポートエリザベスからヨハネスブルクを経て香港へ向かった。南アから香港までは１９時間、約１万２０００キロ。体を休める暇もなく、次は香港戦が控える。まさに精神力との戦い。疲れ切った体にムチを打つしかない。

　実は南ア戦では先発回避を岡田監督に直訴していた。１１日にスペイン国王杯・ヘタフェ戦に出場し、寝る間もなく翌朝に南アフリカへ。約３０時間の移動を経て、合流したのは試合前日１３日。当初は先発する方向だったが、試合前の宿舎で岡田監督と話し合い、ベンチスタートが決定。指揮官は「ケガをさせてもいけない。長くて３０分だと思っていた」と説明。予定通り後半１４分から出場したが、司令塔として流れを引き寄せることはできず。無得点で０－０の引き分けに終わった。

　それでも中村俊なりに収穫はつかんだ。アフリカの民族楽器ブブゼラの大音響に、異様なほどの現地の盛り上がりを肌で感じ「声が通らないよね。全部通して雰囲気は感じられた。久しぶりにベンチから（試合を）見て、いろいろ考えるものもあったしね」と前向きにとらえた。

　スペインから南ア、そして香港へ－。移動距離は２万３０００キロ。地球約半周にもなる。先発復帰の可能性が高い香港戦は、年内最後の国際Ａマッチ。年明け後は欧州組が合流できる時間は限られてくる。Ｗ杯本大会までの時間は少ない。だからこそ、肉体的にヘトヘトになってでも前へ進むしかない。香港戦後はスペインにとんぼ返りし、２２日にリーグ・ヘタフェ戦が控える。

　［2009年11月16日8時58分　紙面から］