南アフリカW杯
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俊輔キラリ“アシスト”／スペイン国王杯

＜スペイン国王杯：エスパニョール１－１ヘタフェ＞◇１１日◇４回戦第２戦◇バルセロナ

　【バルセロナ（スペイン）＝山本孔一通信員】エスパニョールＭＦ中村俊輔（３１）が日本代表への合流を前に、クラブで「結果」を出した。ヘタフェ戦に先発出場し、前半３７分に２選手に囲まれながらクロスボールを入れ、同点ゴールを「ほぼアシスト」した。試合は１－１のドローに終わり、２戦合計１－３で敗戦。それでも定位置確保へ手応えをつかんだ。中村は一夜明けた１２日朝、南アフリカへ向けてバルセロナを出発した。代表には試合前日の１３日に合流する。

　中村から迷いが消えた。１点を追う前半３７分、左サイドで相手ＤＦ２人に囲まれたが、ボールを下げることなく局面の打開に挑んだ。ゴール前に正確なクロスボールを入れ、イバン・アロンソがヘディングシュート。ＧＫにはじかれたが、再び同選手が詰めて同点とした。積極性をテーマに掲げる中村の狙いが、結果となって出た場面だった。

　中村　ボールが来ないことにネガティブにならず、来たら何かやる。チームメートもそう。ボールが来たら１人でやっている。それがいいかどうかはさておき、エスパニョールはそういうサッカーだから、それに徹して、個の力だよね。

　前半３２分にはペナルティーエリア付近でルーズボールを拾うと、ためらわず左足シュート。惜しくもＧＫ正面だったが、この日もゴールを強く意識したプレーに主眼を置いた。後半３０分で途中交代する際には、ホームサポーターからは温かい拍手が起こった。

　中村　（自分は）ボールをいっぱい触って組み立てつつ、崩すところを探すサッカーをしていたが、今は１本の矢を探す戦術だから。１年通して使われるようになればいいし、選手として大きくなれればいい。そういう道が見えてきた。割り切る必要がある。

　これで心のつっかえも取れて代表へと合流できる。中村は「アウェーで南アとやれるのはいい機会。そのチームをたたけば自信になる。いろんな形にチャレンジし、これまでのコンセプトを続けていくこと、質を高めなければ」とすっきりした表情で話した。

　［2009年11月13日9時36分　紙面から］