南アフリカW杯
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エース森本みんなで育成計画！本人も意欲

: 練習前、１人離れた場所でスパイクのヒモを結ぶ森本（撮影・栗山尚久）

　日本代表がＦＷ森本貴幸（２１＝カターニャ）の「育成計画」に乗り出す。同代表は１２日、親善試合トーゴ戦（１４日、宮城ス）に備えて仙台市内に移動し、夕方から同市内で練習を実施した。岡田武史監督（５３）はトーゴ戦で出場が有力な森本に対し、あえて守備面などの課題を挙げ、さらなる成長を促した。チームメートの中からも、期待と「みんなで育成」という機運が高まってきた。

　１０日の代表デビュー戦で能力の高さを示した森本に、岡田監督はさらにテーマを与えた。「守備をしないといけないところとか、まだ未知数の部分がある」。ベスト布陣ではないスコットランド戦では明確にならなかった守備面の課題を含め、トーゴ戦で試したいという、若き点取り屋への期待の表れだ。

　この日の練習でシュートを外した森本に、同監督は「森本、戻れ」と厳しく指摘した。得点力を高く評価しているだけに、守備面が成長さえすれば、レギュラーに近い存在になりうるからだ。

　もちろん主力選手の間からも、期待は高まり、いくつもの「育成案」が出てきている。トーゴ戦で初共演となりそうなＭＦ遠藤は「高い（ゴールに近い）ところで森本にボールを預けたい。彼は瞬間で勝負できるから」と話し、ゴールをおぜん立てするつもり。ＦＷ大久保も「森本はスペースを空けてやれば点を取れる。オレが（ＤＦを）引きつけてスペースを空ければ、勝負させられる」とサポートを約束した。

　ＭＦ長谷部は「フィットしていない部分もある。ボールを触る回数が少ないし、もっとボールに触れて、パスを引き出す動きをした方がいい」と助言した。岡田サッカーのコンセプトである「パス＆ムーブ」「サポート」のコツを自ら伝授する構え。ＤＦの裏を狙う動きが中心のスタイルから、より日本代表の中で生きる形へ、進化のヒントになりそうだ。

　森本はこの日「試合に出られれば点に絡みたいし、自分で決められるように頑張りたい。（連係は）最初よりはよくなったと思います」と慎重に話した。トーゴ戦で代表２試合目の出場を果たし、ピッチ内で「育成計画」を実践できれば、エースへの道は一気に開けてくるはずだ。【菅家大輔】

　［2009年10月13日8時31分　紙面から］