南アフリカW杯
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森本遅刻で岡田監督から百たたきの刑!?

: 練習中、笑顔を見せる日本代表岡田監督（左）と森本

　１０日に日本代表デビューを果たしたＦＷ森本貴幸（２１＝カターニャ）が１１日、堂々と「遅刻」し、大物ぶりを発揮した。宿舎から練習場に向かうバスに乗り遅れ、岡田武史監督（５３）から罰として「（１）土下座（２）逆さ磔（はりつけ）（３）百たたきの刑のどれかを選べ」と言われると「百たたきの刑でいいです」と即答。大爆笑を誘い、チームに完全に溶け込んだ。日本代表はこの日、神奈川合宿を打ち上げ、１２日に宮城県内へ移動する。

　この日も主役は森本だった。練習場に向かうバスの中に、森本だけがいない。出発予定時刻を約１分過ぎた時、何食わぬ顔で現れた。今回のメンバーでは最年少。だが、先輩たちの視線を気にすることなく、遅刻しても堂々としていた。練習前のミーティングで岡田監督から遅刻の罰を３つの中から選べと言われると、「百たたきの刑でいいです」と答え、チームメートから大爆笑をとった。

　「森本が遅刻したんだよ。オレの分は、もうたたいておいたよ」と岡田監督は冗談を言いながら、ずぶとさに感心さえする。ＭＦ橋本は「一番、選びそうにないものを選んだ」とうれしそう。ＦＷ大久保は「あいつ見てたら、何かおもろいね」と腹を抱えた。１０日のスコットランド戦では、終了間際に華麗な反転シュートを披露。ピッチ同様、規格外の言動で森本は先輩たちの心をぐっとつかんだ。

　デビュー戦は控え組中心のメンバー構成で、主力のＭＦ中村俊、遠藤らと一緒にプレーする機会はなかった。岡田監督は１４日のトーゴ戦での森本の起用について「（主力組と一緒にプレーする）可能性もあるでしょ」と否定はせず。ＭＦ中村俊は森本について「動いてスペースをつくるタイプではないけど、いいところにいる」と冷静に分析し、初共演に向けてイメージを膨らませた。

　森本自身はいたってマイペースだった。この日の練習も黙々とこなし、シュート練習では、ＭＦ長谷部の左クロスを豪快に右足で決め、主力組とのコンビも問題なし。遅刻したことについて聞かれると「いや、別に…。いつも通り頑張りたい」となぜか意気込みを語った。大リーグ・ヤンキースの松井秀喜も巨人時代、遅刻の常習犯だった。大物は細かいことなど気にしない。岡田ジャパンにすっかり溶け込んだ日本の最終兵器。次の目標はレギュラー奪取しかない。【奈島宏樹】

　［2009年10月12日9時27分　紙面から］