南アフリカW杯
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森本を「規格外の存在」と本田が絶賛

: ミニゲームでＭＦ中村俊（中央）はＭＦ本田と競り合う

　日本代表に初合流したＦＷ森本貴幸（２１＝カターニャ）が、合宿初日から称賛を浴びた。日本代表の静岡合宿が６日、スタートした。ＦＷ森本は岡田監督のメニューに戸惑う場面もあったが、最後に行われた３本目の紅白戦で主力組に入った。ゴールへの意識の高さは別格で、ＭＦ本田圭佑（２３＝ＶＶＶ）に「規格外の存在」と絶賛されるなど、チームメートの信頼を早くも勝ち取った。８日のアジア杯最終予選香港戦（アウスタ）でいきなり先発する可能性も出てきた。

　森本のゴールへの執着心が、さっそく周囲を認めさせた。ハーフコートでの紅白戦。２本目で控え組に入ると、こぼれ球に反応した。クルッと反転して左足でシュート。ＧＫにセーブされたが、独特の嗅覚（きゅうかく）を見せつけた。３本目は主力組に入り、前田と２トップを組んだ。中盤に中村俊、遠藤らを従えて前線に立つと、鋭い飛び出し、思い切りのいいシュートで初めて顔を合わせたチームメートの心をがっちりつかんだ。

　日本代表初合流の感想を聞かれると「特に何もないです。みんなとコミュニケーションも十分取れている。自分はＦＷなんで、ゴールを決めるのが仕事」。無表情で答えたが、周囲の評価は高かった。ＭＦ本田は「規格外の存在。ゴール前でのポジショニングが素晴らしい」と舌を巻き、ＭＦ遠藤も「反転してシュートを打つところがいい」と感心しきり。ＤＦ駒野は「新しい選手が出てくるのはいいこと」と歓迎した。

　練習開始直後は、チーム全体の連動性を重視する岡田監督のメニューに戸惑った。ワンタッチでパスを回す練習ではスリータッチしてしまい、頭をかいた。シュートが打てる場面でも、遠慮して味方にパス。ＦＷ大久保は「ほんま、かわいいね」と笑い、本田も「けっこう気を使うところがあるから」とかばった。森本自身は「テレビで見ていた選手ばかりなので緊張しました」と初々しさを少しのぞかせた。それでも最後は、ゴールへ向かうプレーで周囲をうならせた。

　世界最高峰のセリエＡで今季６試合３得点の決定力が、岡田ジャパンの大きな力になることを予感させる。岡田監督が「まだ遠慮している」と要求するのは、期待の高さの表れだ。イタリアでの愛称は津波を意味する「マレーモト」。森本が台風が近づく地元日本で、衝撃的なデビューを飾ってみせる。【奈島宏樹】

　［2009年10月7日8時15分　紙面から］