南アフリカW杯
ニュース

岡ちゃん南アで強豪国に練習試合直訴

: 帰国後の会見を済ませ、手荷物をまとめる日本代表岡田監督

　Ｗ杯ベスト４入りを目指す日本代表の岡田武史監督（５２）が、世界の名将を相手に「ロビー活動」を開始する。２０日、１０年Ｗ杯開催地の南アフリカで行われているコンフェデレーションズ杯の視察に向けて出発。南ア滞在中はイタリアやイングランドなど強豪国の代表監督と直接会談を計画し、Ｗ杯開幕直前の練習試合を申し込むなどチーム強化につなげたい考えだ。日本代表はＷ杯アジア最終予選オーストラリア戦（メルボルン）から一夜明けた１８日に帰国し、解散した。

　アジア最終予選を２位で通過したショックを、引きずっている暇はない。逆転負けを喫したオーストラリアから帰国すると、岡田監督は早くも「Ｗ杯出場国監督」としての仕事に取りかかった。「休みたいけれど、休んでいる暇はない」と、南アで開催中のコンフェデ杯の視察へ向けて日本協会関係者と打ち合わせ、２０日から決勝が行われる２９日までのスケジュールを次々と埋めた。だが、Ｗ杯開催地の事前視察だけで終わるつもりはない。Ｗ杯ベスト４入りに欠かせない、チーム強化の「秘策」を温めていた。

　現地での日程を問われた岡田監督は目を輝かせて言った。「（イタリア代表の）リッピや（イングランド代表の）カペッロ、（ブラジル代表の）ドゥンガあたりとはアポイントメントを取れている。（スペイン代表の）デルボスケとは、まだだけれど。南アに行く前にどこで合宿をするのか聞く。我々も近くで合宿して練習試合をしてほしい」。強豪国の代表監督と直接会談する予定があると、自ら明かした。

　本大会でベスト４入りを争うであろう強豪国の胸を借り、実力を肌で感じれば、Ｗ杯本番をイメージしながら修正点を洗い出せる。前夜のオーストラリア戦での敗戦を受け「（Ｗ杯では）もっと高い、強いやつがいる。セットプレーの戦い方とか、走る前に体を寄せるとか、個人戦術も考えないといけない」と、アジアレベルから「世界基準」への脱皮を課題に挙げた岡田監督。横浜監督時代から長期休暇のたびに欧州へ「短期留学」して築いた人脈を駆使して「手みやげ」を持って帰るつもりだ。

　コンフェデ杯視察後には、選手層アップにも着手する。８月にはＵ－２０（２０歳以下）日本代表の欧州遠征が計画されており「私も何らかの形で関与する」という。１年後の世界舞台へ、岡田監督が動きだす。【山下健二郎】

　［2009年6月19日8時39分　紙面から］