南アフリカW杯
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俊輔リーダーの自覚、カタール戦出る

: 練習後、チームスタッフとＰＫ対決を行い、好セーブを見せたＭＦ中村俊

　日本代表ＭＦ中村俊輔（３０）が、世界４強挑戦に向けた初戦に強行出場する。日本は１０日、Ｗ杯最終予選のカタール戦（日産ス）に臨む。予選突破を決めた直後の消化試合だが、中村俊は疲労困憊（こんぱい）、古傷の痛みで悲鳴を上げている体を１００％に引き上げて、日の丸の重みを若手に示す。Ｗ杯南アフリカ大会開幕まで１年。世界を驚かすため、中村俊の挑戦が始まった。

　リーダーの自覚だ。中村俊が、カタール戦でイレブンの気を引き締める。ウズベキスタンの猛攻に耐え、４大会連続４度目のＷ杯出場を決めた直後の消化試合。「誰だってこの状況では気が緩む。だからこそ今まで通りしっかりやることが、Ｗ杯ベスト４につながる」と言葉に力を込めた。

　体はボロボロだ。すでに年間５０試合以上を戦い、疲労は蓄積されている。しかも古傷の股（こ）関節の痛みは改善されない。日によって、左ふくらはぎが痛むこともある。「体のケアは１日も欠かさない」と合宿中は、毎日１時間のマッサージを受けている。

　体のことを考えるとカタール戦は休んだ方がいい。しかしその選択肢は、中村俊の頭にはない。ウズベキスタンから帰国した７日夜、代表のフィジカルスタッフにお願いした。「カタール戦で体調が１００％になるように、仕上げてください」。たかが消化試合。しかし中村俊は、カタール戦こそ、Ｗ杯４強に向けた大事な一戦と認識している。

　海外でプレーして７シーズン目が終わった。「海外に出ればみんな愛国者になると聞いたけど、オレも日の丸への気持ちはさらに強くなった」。日の丸をつけて戦う以上、消化試合など存在しない。カタール戦は、代表への気持ちを若手に示す絶好のチャンスだ。

　「口だけじゃなく、Ｗ杯で高いところにいくために今何ができるか」。その答えを中村俊が、体で示してみせる。【盧載鎭】

　［2009年6月9日7時33分　紙面から］