南アフリカW杯
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岡崎がゴン直伝のヘッドでＷ杯出場導く

: 低い打点からのヘディングシュートを放つＦＷ岡崎（右）。左はＦＷ大久保

　【タシケント（ウズベキスタン）５日】日本代表ＦＷ岡崎慎司（２３）が、元代表のエース中山雅史直伝のダイビングヘッドで日本を４大会連続のＷ杯出場に導く。勝てばＷ杯出場が決まるＷ杯アジア最終予選Ａ組のウズベキスタン戦は、６日の日本時間午後１１時５分にキックオフ。今年に入って国際Ａマッチ７戦６得点の岡崎はスタメン出場が確実になった。尊敬する中山のように、相手の頭ごと押し込むようなダイビングヘッドで、Ｗ杯切符をつかむゴールを狙う。岡田武史監督（５２）は前日会見で、ウズベキスタン報道陣の挑発的な質問を余裕を持って受け止めた。

　乗りに乗っている岡崎は試合会場パフタコル・スタジアムのピッチを確認するようにシュートを放った。当地での練習では中村俊らのアーリークロスに激しく体ごと突っ込むようなシュートも続けていた。今年に入って国際Ａマッチ７戦６得点。直前のキリン杯２試合では２戦連発の３得点を挙げたＦＷはスタメン確実。Ｗ杯出場を決める３トップの中央でピッチに立つ。

　最終調整を終えて、岡崎は自信に満ちあふれていた。「大事な一戦に変わりはない。やっぱゴールを取りたい。持ち味なんで。ゴールを決めれば自分がいることの証明になる」。慢心も過信もなく、大一番への集中力を高めた。右足首痛の玉田に代わって、最前線のポジションに選ばれた責任感がある。岡崎は「今までいつも『ここで決める』というところで決められなかった。今は決められる自信がある」。もちろん、心の準備はできている。

　大一番に向けて、尊敬する元日本代表の中山から、得意とするダイビングヘッドの極意を伝え聞いた。「オレはボールしか見ていない。相手ＤＦの頭までヘディングして怒られる。それを岡崎はできるし、ウズベキスタン戦で決めると思う」。岡田第１次体制の９７年１１月、フランスＷ杯予選カザフスタン戦では敵ＤＦの頭ごとヘディングしてゴールを奪い、過去のアルゼンチン戦ではＭＦベロンの頭をヘディングしてアルゼンチン選手と険悪なムードになった。そんな闘志むき出しの中山のようなプレーが「それがボクのプレーの基本なんで」。岡崎は中山からのエールをあらためて胸に刻んだ。

　滝川二高時代、練習着の背中には名前代わりに「ダイビングヘッド」と書いた。清水入りした０５年の春季キャンプで中山からもらったサインは宝物。今も中山のゴールを集めたＤＶＤの映像を見て、プレーのイメージを膨らませる。「それをみてゴンさんの姿勢は分かります。前から意識していますから」。タシケントに入ってからも、常に意識していると強調した。

　中山は９８年フランスＷ杯と０２年日韓Ｗ杯で日本をけん引してきた。まだ、知名度では及ばないが、泥くさく、力強いプレーは全盛期の中山に近づきつつある。「（他選手に）点を取れと言われるし、自分のやってほしいことは言えている。自由に動く形でいく」。中山から授かったダイビングヘッドを武器に、今回は岡崎が日本をＷ杯へ導くに違いない。【藤中栄二】

　［2009年6月6日8時20分　紙面から］