南アフリカW杯
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俊輔Ｗ杯予選へ切り替え「すべて勝つ」

: ４連覇を逃し試合後ピッチで汗をぬぐうセルティック中村（撮影・ＰＮＰ）

　【グラスゴー（英国）２５日＝アンソニー・マッカスカー通信員】今季限りでセルティックとの契約が切れる日本代表ＭＦ中村俊輔（３０）が、「４連覇失敗」ショックを振り払い、Ｗ杯予選に気持ちを切り替えた。２４日のリーグ最終節ハーツ戦（ホーム）は０－０ドロー。レンジャーズに優勝を譲り、７年間過ごした欧州で有終の美を飾れなかったが、一夜明けたこの日、日本へ出発した中村は「休んでいる時間はない。Ｗ杯予選３試合に全部出て、すべて勝つ」と宣言した。

　７年間の欧州生活を終え、新たな旅立ちの日を迎えた。グラスゴー国際空港に現れた中村の表情は、一点の曇りもなかった。今季限りでセルティックとの契約が満了となり、古巣横浜への移籍が有力視される。

　中村　次はどこになるか分からない。先のことはまだ。これから家族、代理人と相談する。今は代表のことだけ考えているからね。（日本に）帰ってからホテルにずっといるわけだし、痛めているところのトリートメントとかできる。ケガをよくして、コンディションを上げていきたい。

　注目される去就についての明言は避けたが、リーグ４連覇を逃したショックは一晩寝て吹き払った。頭の中は完全に「代表モード」に切り替わっていた。

　中村　（Ｗ杯予選３試合を控え）大事な試合が続く。長いね。今季は５０試合くらいやったから、まだ粘るよ。右股（こ）関節の痛みよりも（昨夏に）手術したグロインの周りが（気になる）ね。代表に行けば気心知れたトレーナーがいるし、自分のことをよく分かってくれている。（合宿の）練習をやりながら、治していきたい。

　南ア行きを目指す日本代表にとって、「百戦錬磨の男」中村の存在が最大の武器だ。欧州での豊富な経験を基に、技術、精神両面でリーダーシップを発揮。それを自覚するからこそ、言葉にも力がこもった。

　中村　休んでいる時間はない。１年前はアウェーでタイと戦ったり、１カ月くらい合宿をした。そこでチームの土台ができた。ほかの選手との連係だったり、共通意識だったり。無駄な時間なんてない。決められた時間内でどうするか。３試合全部に出て、すべて勝つ。チリ戦（２７日）は出なくていいと言われたので、オフの２日間を有意義に使いたい。

　中村は後ろを振り返らない。セルティックでの経験を糧に、自らの未来を信じ、ひたすら前を向いて突き進んでいく覚悟だ。

　［2009年5月26日9時37分　紙面から］