南アフリカW杯
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岡田日本切り札に直輝！18歳がＷ杯決める

: 日本代表に抜てきされた浦和ＭＦ山田直輝

　４大会連続のＷ杯出場を狙う岡田ジャパンに、ルーキーが大抜てきされた。２１日、日本協会は今月下旬のキリン杯と６月のＷ杯アジア最終予選に臨む日本代表２６選手を発表し、浦和のＭＦ山田直輝（１８）が初選出された。今季、プロ契約したばかりの新人ながら、抜群の運動量と攻撃センスを発揮し、公式戦１３試合２得点と活躍。現在リーグ２位の強豪でレギュラーとなった能力を岡田武史監督（５２）に高く評価された。日本代表史上最年少でのＷ杯予選出場だけでなく、１０年南アフリカ本大会での活躍に期待がかかる。

　思わず、自分の耳を疑った。今季公式戦２ゴール目を決めたナビスコ杯予選リーグ大分戦（九石ド）から一夜明けたこの日、山田はチームとともに遠征先から、さいたま市内のクラブ寮に帰宅。その際、浦和の信藤健仁チームダイレクターから電話連絡を受け、日本代表メンバー入りを知らされた。Ｊリーガーとなって３カ月あまりで、いきなり夢舞台への扉が開いた。

　山田　代表招集の話を聞いて、うれしく思うのと同じくらいビックリしてます。日本代表に行くことは、楽しみと不安がありますが、いつもレッズでやっているのと同じ気持ちで同じプレーができるように頑張ります。

　若手の育成と発掘を目指して０３年に設立された、浦和アカデミー（下部組織）の第１期生。中学年代で既に脚力と前線のスペースを突く攻撃センスに優れ、当時、浦和社長だった日本協会の犬飼会長も「相手の嫌がるところに、動物的に考えずに走る。こんな感性を持ったやつがいるのかと感心した」という。プロ１年目の今季、人とボールの連動サッカーを掲げるフィンケ監督の目に留まり、レギュラーに定着した。

　最近のリーグ戦２試合を直接視察した岡田監督は「まだ１８歳ということで、とにかく目の前のことを必死でやっているというのは分かる。この時期に代表に呼ぶのはどうかと考えたが、性格的にも勘違いしたり、臆病（おくびょう）になったりしないという情報を得たので呼んだ」と話した。左太ももの腱（けん）を痛めている、浦和ＦＷ田中達の招集を今回見送ったこともあり「タツヤのように、彼（山田）がまず仕掛けることで、みんなが動きだす。チームに（攻撃の）スイッチを入れる選手」と期待を寄せる。

　岡田監督らＡ代表スタッフが直接指導した４月のＵ－２０（２０歳以下）代表合宿は、ケガで辞退したが、山田は同合宿に参加した同僚の原口から、練習や指導内容などをつぶさに聞いたという。「レッズと同じようなスタイルをイメージできたし、自分が取り組んでいることは間違っていないと感じました」。浦和の下部組織関係者が「Ｊを超えてＷ杯、そして海外へと、他の若い選手に比べて目標とする次元が違う」という山田にとって、今回の招集は夢の第１歩となる。

　２７日のキリン杯チリ戦で出場すれば、１８歳以下では４人目の快挙。６月のＷ杯予選３試合中、１試合でも出れば、同予選最年少記録となる。世界に挑む日本の切り札となれるか。若き才能が挑む。【山下健二郎】

　［2009年5月22日8時26分　紙面から］