南アフリカW杯
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岡ちゃん指令「勇気持て、蛮勇になるな」

: 会見で険しい表情を見せる岡田監督（撮影・鹿野芳博）

　岡田ジャパンのコンセプトに「蛮勇（＝向こう見ずの勇気）」という新キーワードが組み込まれた。Ｗ杯アジア最終予選バーレーン戦前日の２７日、岡田武史監督（５２）は試合会場の埼玉スタジアムで会見。「勇気は持て、蛮勇になるな」と選手に指示したことを明かした。勝利に固執する一方で、冷静さも求めた。天王山決戦を制するための「難解」指令。選手の理解度が勝負のカギを握りそうだ。

　バーレーン戦はＷ杯最終予選の重要なキーポイントになる。勝てばライバル国との差を一気に広げて、予選突破に大きく前進する。勝ち点６にも相当する白星になる。一方でもし負ければ、自動突破圏内の２位以内確保が微妙になる。そんな試合をどう戦うのか。監督は実に難解な言葉で、選手に伝えていた。

　「勇気は持て、蛮勇になるな」。ホームで日本はまだ勝利がない。Ｗ杯予選突破を引き寄せるためにも、どうしても勝ちたい。しかし、冷静に考えると追い詰められたバーレーンはもっと勝ちたい。その相手にやみくもに攻めてカウンターで失点しては意味がない。それを「蛮勇になるな」という言葉に込めた。

　もっとも選手の受け止め方はさまざまだった。ＤＦ中沢は「蛮勇」を「マンＵ？」と聞き間違えた後「選手個々で判断するとまずいので、監督の指示を待つことが大事」と慎重に言った。一方でＦＷ玉田は「僕らは勝ちに行く。勝ちたい。でも監督は『何が何でも点を取りにいくということではない』と言っていた」と話した。

　攻めるのか。状況次第では守って引き分けるのか。バーレーン戦は非常に難しい状況判断が求められる。ＷＢＣ決勝の日本－韓国戦は、延長１０回に韓国の金寅植監督がイチローにボール球主体の投球を指示したが、伝達ミスで決勝打を浴びた。岡田監督と選手の理解度に温度差があれば、厳しい試合に苦しむ可能性がある。【井上真】

　［2009年3月28日8時9分　紙面から］