南アフリカW杯
ニュース

俊輔がＪを“監視”直接電話でアドバイス

: 空港の待合所で、報道陣に囲まれ「即席会見」を行った中村俊（左）

　セルティックの日本代表ＭＦ中村俊輔（３０）が「国内組」を遠隔監視する。スコアレスドローに終わったＷ杯アジア最終予選オーストラリア戦から一夜明けた１２日、他の海外組４人とともに、クラブ再合流のため成田空港から離日。３月７日の開幕以降、Ｊリーグの試合ＤＶＤを英グラスゴーの自宅に取り寄せ、代表国内組や新戦力候補、注目クラブなどを入念にチェックしていく考えを示した。必要に応じて選手個々にも直接電話し、アドバイスも送る構えだ。

　１万キロの向こうから、熱い視線をＪに注ぐ。中村俊は離日を前に、３月７日の開幕からＪリーグの映像を徹底収集する考えを明かした。「気になる試合を指定し、日本から中継ＶＴＲをＤＶＤで取り寄せる」。所属事務所のスタッフと密に連絡を取り合い、注目カードを指示。録画即発送で最新映像を入手し、チェックを重ねることにした。

　１１日のオーストラリア戦では、守りに入る相手を攻めあぐね、スコアレスドローに終わった。「パスをしっかりつなぐとか、狙い通りのプレーもできていた」と収穫を強調したが、反省点も多かった。試合終了直後には、ピッチ上でＤＦ長友を呼び止め、プレーについて細かく注文をつけた。

　実は昨年１２月にも長友に「それでは来年２月のオーストラリア戦でもっと痛い目を見るぞ」と忠告していた。Ｊ１最終節で長友が千葉ＦＷ巻に簡単に競り負け、失点につなげてしまったシーンをＶＴＲでみて、国際電話で苦言を呈した。「修正点は、時間を置かずに言った方がいい」。こまめにＪリーグのＶＴＲをチェックできれば、連絡先を知る代表選手に、試合から日を置かずに助言することもできる。

　「これから代表に入る選手もいれば、どんなサッカーをするか気になるチームもある。そういう情報を持っていれば、代表に戻った時に、周囲とプレーイメージを共有しやすい」。国内の有望株や新戦術を常時チェックしていれば、代表に合流した際に戸惑うことも少なくなるという考えだ。

　周囲の選手の特長をしっかり把握することで、彼らの力を引き出し、代表の選手層を厚くすることを頭に描いている。「前線の大久保や岡崎らのように、他の位置でも先発に匹敵する実力の選手が増えれば、チームの力は格段に上がる」。日本サッカーを見つめ直すことで、代表の再強化につなげていくつもりだ。

　［2009年2月13日8時41分　紙面から］