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第4回ブラジル大会
18年の空白で衰えていた母国イングランド

 出場辞退が相次いだ1950年ブラジル大会には、新しい顔ぶれもあった。「サッカーの母国」イングランドの初参加だ。スコットランド、アイルランド、ウェールズとともに英国4協会が28年にFIFA(国際サッカー連盟)を脱退してから18年ぶりに復帰。地区予選を兼ねた英国選手権に優勝したイングランドが出場権を勝ちとった。

 しかし、初めて挑んだ本大会で世界のレベルの高さを思い知らされる。各組1位のみが決勝リーグに進める1次リーグ2組でスペイン、チリ、米国と同組。大会前は開催国ブラジルとともに優勝候補に挙げられ、決勝リーグ進出は確実視されていた。当然、世界最強との自負もあった。だが、結果はチリに勝っただけの1勝2敗で1次敗退。3試合で記録した得点も、チリ戦の2得点だけだった。「サッカーの母国」のプライドは引き裂かれた。

 特に米国戦の0―1敗戦は、全世界に衝撃を与えた。圧倒的な攻勢を仕掛けながら決定力不足に泣き、足元をすくわれた。世界中に「イングランド敗れる」の報が打電されたほどだ。そして、1次突破へ最後の望みを託して臨んだスペイン戦も、0-1でまさかの完封負けに終わった。

 敗因の1つに「ブランク」が挙げられる。初のW杯が開催された30年以降、世界のサッカーは急速にレベルアップしていた。第1回大会の2年前に国際舞台から離れながら、あぐらをかいていたツケが回ってきたのだ。時代に取り残されている現実を痛感した「母国」は、屈辱感いっぱいでブラジルを後にした。


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