中東キラー達也!技あり先制弾/W杯予選
<W杯アジア最終予選:日本3-0カタール>◇A組◇19日(日本時間20日)◇ドーハ
日本代表FW田中達也(25=浦和)が前半19分に先制ゴールを決め、3-0快勝をけん引した。DF内田のパスに合わせて2列目から飛び込み、ゴール右からカタールGKの股間(こかん)を抜いた。最終予選初戦のアウェー・バーレーン戦(9月6日)の陰のMVPが、この日は正真正銘のMVP級の活躍だ。
祈りながら右足を振り抜いた。「脇に入ってくれ!」。田中達は、中央から果敢に突っ込んで、内田のクロスに追い付いた。DFをかわすため、右へドリブルを仕掛ける。どんどんゴールへの角度は厳しくなる。一瞬、目の前にゴールへのコースが見えた。GKが腰を低くして構える。すかさず、右足に力を込めた。両足を広げ、脇を固めたGKをあざ笑うように、股間を抜いた。
「相手中央守備は、ワンバウンドに入るクロスに弱い。思いっ切り突っ込んでくれ」。ミーティングで岡田監督から口酸っぱく言われたことを、ピッチ上で実演した。ドーハ合宿前から、同監督以下ほとんどの選手が「相手は先制されると崩れる傾向がある」と口をそろえたが、その大事な先制点を奪い、圧勝につなげた。
167センチ、63キロと、Jリーガーとして決して恵まれた体格ではない。爆発的なスピードがあるわけでもない。それでも屈強な体のDFと互角に渡り合い、代表にまで上り詰めた。「(01年)プロに入ってから、この体格でどうすれば通用するかを考えた。結論は、どれだけ迷わずボールを追うことができるか。最初のプレーで迷うと、周りに移ってしまう。ここと決めたら何があっても自分で取ってしまおう」と、素早い動き出しを心掛け、実践してきた。
まさに中東に強い「アラビアン王子」だ。重心の低い走法と、小回りの効く体のため、中東特有の粘り気の強い芝への適応性に優れる。実際に、マナマでのバーレーン戦で大暴れし、陰のMVPと評され、この日も勝利の主役となった。前半25分にはジャンプの着地の際、相手の激しいチェックで腰を痛めるアクシデントがあったが、後半26分まで「重馬場」に気後れすることはなかった。
過去、ジーコ、オシム体制でも招集されているが、負傷などもあり、定着できなかった。今年も度重なるケガに苦しんだが、復調まで根気よく待ち、招集してくれた岡田監督の期待に応えた。「常に結果を出していかないと、いつ外れるか分からない」。これで代表2点目。オフにはブンデスリーガへの移籍を視野に入れる男は、日本に欠かせない存在になった。【盧載鎭】
[2008年11月21日8時1分 紙面から]
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