遠藤“現場監督”アジア対策「慌てるな」
アジア頂点の頭脳が、岡田ジャパンを動かす。相手のカウンター攻撃をものともせず、圧倒的な強さでアジアチャンピオンズリーグ(ACL)を制したG大阪のMF遠藤保仁(28)が、相手の速攻に再三苦しみ、失点を重ねてきた岡田ジャパンを救うべく「現場監督」に名乗りを上げた。
遠藤 ACLではほとんどのチームが堅守カウンターを仕掛けてきたけど、優勝した。でも代表は相手のカウンターにやられている。ガンバは相手に引かれたら無理に前に行かずにじっくりボールを回しながらチャンスをうかがう。しかし代表は、前へ、前への意識が強すぎるからリスクが生じてしまう。
改善策をドーハ入り2日目の16日、非公開で行われた紅白戦から、イレブンに伝えている。「みんなには『あまり慌てて攻めに転じるな』と伝えた。リスクを負わなくても、攻めの強弱をつけるだけで必ず穴は見つかるから」。横パスで相手を揺さぶり、中央からは3人が連動した壁パス、両サイドをワイドに使ったサイドチェンジ、DFラインの裏を狙うロングを織り交ぜるだけで、チャンスは十分つくれる。DFラインやボランチが無理に攻撃参加する必要がないため、守備時には数的優位が保てる。
ACL優勝で自信を深め、これまで以上に余裕も出てきている。「今までは俊輔に何度も助けられた。今回はひざをケガしているし、僕が助ける番だね。彼の近くでプレーして負担を軽くしてあげたい」。中村俊が合流した17日の夜から、2人だけの話し合いで、役割を確認した。遠藤がG大阪の戦術をミックスした新スタイルで、岡田ジャパンに2つ目の白星をもたらす。
[2008年11月19日8時36分 紙面から]
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