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岡ちゃんカタール記者の進退質問にイラッ

岡田監督は前日までの青色フレームから銀色のメガネに替えて会見に現れた
岡田監督は前日までの青色フレームから銀色のメガネに替えて会見に現れた

 【ドーハ】日本代表の岡田武史監督(52)が、カタールから強烈な先制攻撃を浴びた。W杯アジア最終予選の第3戦・カタール戦は19日(日本時間20日未明)行われる。同市内のカタール協会内で行われた前日会見で岡田監督は、同国報道陣に進退問題を問われ、顔を真っ赤にした。また、同協会から会見時間の変更を急きょ言われ、イライラするしぐさを見せるなど、大一番を前に、敵将として余裕を見せつけることができなかった。

 笑うしかなかった。しかし相手を見透かすような、余裕の笑みではなかった。

 岡田監督は会見で、当初予定された4人の記者の質問に答え、ホッとしたのもつかの間。進行役を務めた中東のAFC(アジアサッカー連盟)役員が突然、「最後にダイレクト・クエスチョンをカタールマスコミから1つ」と、最前列にいた白いシャツの男性記者に目で合図を送った。

 地元記者 日本のマスコミから、カタール戦で勝ちを取らないと、次の試合が最後の試合になると聞いたけど?

 岡田監督 今、初めて聞きました。初めてなので、これから考えます。

 怒りからだろう、顔は紅潮した。しかし、岡田監督は、質問したアラビア語と英語を話す中年の記者をにらみつけることもせず、顔を背けるようにして苦笑いした。「日本から多くのマスコミが来てくれたね。全員で1000人くらい?」と、会場の笑いを誘ったカタールのブルーノ・メツ監督とは対照的だった。

 当初はメツ監督との共同会見と伝えられていたが、開始1分前になって単独会見と知り、さらに、メツ監督の会見が終わるのを20分以上待たなければならなかった。約30分間の会見を終えるとイライラが爆発。もう質問は受け付けまいとするかのように早歩きし、帰りの車に乗り込む直前、日本の同行記者から「会見、長かったですね?」と聞かれて「短かったよ」と答えた後、「まったく、もう」とブツブツ言いながら後部座席に腰を下ろした。

 前半戦の天王山ともいえる一戦でGK楢崎とDF中沢が故障で辞退し、司令塔・中村俊は左ひざの状態が万全ではない。13日のシリア戦は、ACL決勝でG大阪勢を試せなかった。苦境に立っていると自覚するからこそ、嫌がらせのような質問を笑い飛ばしたり、軽く受け流すことができなかったのかもしれない。会見では下を向いたり、視線をおよがすなど、落ち着きがなく、乾いた唇を潤そうと何度も舌を出していた。

 岡田監督はこれまで「退路を断つ」や「背水」という言葉を使って自らの決意と覚悟のほどを示してきたが、10月15日のウズベキスタン戦(埼玉)に引き分けて迎えるカタール戦は、文字通り「背水」の戦い。もし負けるようなことがあれば、自らの去就だけでなく、W杯出場権獲得の雲行きもあやしくなってくる。

 岡田監督は「悔いの残らない準備ができたか?」と聞かれ「スケジュールと選手選考など、満足している」と言った。前日会見はカタールの「奇襲」に防戦一方に終わったが、本番で倍返しするしかない。【盧載鎭】

 [2008年11月19日8時36分 紙面から]


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