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岡田監督と“心中”犬飼会長が明言

 日本協会の犬飼基昭会長(66)が16日、日本代表のW杯アジア最終予選残り6試合すべてを岡田武史監督(52)に託す考えを明らかにした。1-1引き分けに終わったウズベキスタン戦から一夜明けたこの日、都内のJFAハウスで就任1年目の手腕を評価。予選中の解任を否定し「岡田監督で行く」と断言した。負ければ去就問題に発展しかねない、11月19日のカタール戦(アウェー)へ向けて指揮官の重圧を取り除き、勝ち点3獲得を後押しした。

 有利と思われていたウズベキスタン戦で、まさかの引き分けに終わった岡田ジャパン。それでも、岡田監督への信頼は揺るぎなかった。犬飼会長は、W杯最終予選2戦目を終えたばかりという異例のスピードで、同監督と「心中」する覚悟を明かした。

 犬飼会長 岡田監督を信じて、日本らしいサッカーで予選を勝ち抜いてもらうしかない。それで行く。(信頼は)もう絶対ということです。

 初志貫徹だった。アウェーで臨んだ、9月6日の最終予選初戦。3-2で辛くも白星スタートを切った「バーレーン戦のときから」全予選を同監督にゆだねると決めた。オシム前監督が病に倒れ、昨年末に緊急登板を要請したばかり。前線から激しくプレスを仕掛け、素早い攻守の切り替えから得点を狙うスタイルを短期間で浸透させたことへの評価は高かった。

 「ベースはあっても、自分の考え通りのサッカーで戦うのはしんどいはず。1年も経たずに、真剣勝負ができている。日本のサッカーはいい方向に向かっている」。前夜は試合直後に岡田監督のもとへ足を運んだ。興梠や岡崎ら若手への手応えや、欧州組が試合直前に合流するカタール戦までの調整法を確認。明確な方針を打ち出す同監督に「期待しているよ」と声をかけると「初めて優しい言葉をいただきました」と照れ笑いを浮かべていたという。

 ただ、W杯予選で最も重視されるのは結果。98年W杯フランス大会予選時には、当時の岡田コーチ自身が監督交代で監督に昇格した前例がある。解任の危機は遠のいても、常に「背水の陣」に変わりはない。岡田ジャパンはカタール戦での勝ち点3を足がかりに、自力で南アフリカへの道を切り開くしかない。【山下健二郎】

 [2008年10月17日6時36分 紙面から]


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