玉田が救った2位キープ/W杯予選
<W杯アジア最終予選:日本1-1ウズベキスタン>◇A組◇15日◇埼玉
日本代表FW玉田圭司(28=名古屋)がチームを救う価値ある得点を決めた。ウズベキスタンに1点を先制されて迎えた前半40分、FW大久保嘉人(26)の折り返しに反応。左足で押し込む同点ゴールで、勝ち点1に直結する働きをみせた。代表では自身9試合ぶりの得点。ホームでのドローに沈むチームに、明るい光を与えた。
ゴール中央、そこに玉田がいた。1点を追う前半40分。MF中村俊の大きなクロスを、右サイド深くで大久保が右足を伸ばして必死に折り返した。相手DFの陰から黄色いボールが現れると、玉田は反射的に左足で押し込んだ。
本能が体を動かした泥臭いゴールだ。「あれは触っただけ」と照れながら、新潟合宿から徹底してきた練習の成果だと強調した。「ずっと、速くて低いボールを入れて合わせる練習をやってきたからね。体が覚えててくれたのかな」。
代表では9試合ぶりのゴールだった。何より最近6試合、FWの得点がなかった。最前線に立つ者たちの得点力不足が叫ばれる中、ようやく答えを出した。「これで何試合かは、その話題も消えるんじゃない」。プライドをのぞかせた。
勝ち点1とはいえ、自身のゴールでW杯出場へとつながるポイントを得た。故障に泣き、チームでも控えに回されてくすぶり続けた1年前とは、別人のような充実のシーズンを送っている。しかし、代表とクラブでのフル回転がたたり、7月にはリーグの試合中に熱中症になった。直後の1試合を欠場するなど、体が悲鳴を上げ、ダウン寸前に追い込まれた。
わらにもすがる思いで、知人から「いいところがある。何にでもいい」と薦められた神社に足を運んだ。そこでもらったマッチ箱大の小さなお守りを、心のよりどころにした。「財布に入れて、肌身離さず持ち歩いているよ」。日本中の期待を背負う一番で、御利益があらわれた。
厳しい最終予選は前回ドイツ大会に続き、自身2度目の挑戦となる。前回は6試合中5試合に出場して無得点。今回は大事なホーム開幕戦での最終予選初得点でチームを救った。
「勝ち点3を取り損ねたのが残念」。痛恨ドローでゴールの喜びは半減だったが、ゴール以外のプレーも光った。「前半から乗れていた」。相手の積極的なプレスにたじろぎ苦しんだ日本の中で、個人技も交えて躍動した。この日の岡田ジャパンにおいて、玉田の存在が数少ない収穫の1つだった。【八反誠】
[2008年10月16日8時50分 紙面から]
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