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俊輔、壁を越えて巻く超FKで勝負

 日本代表のMF中村俊輔(30=セルティック)が、仰天FK特訓で決戦への準備を整えた。15日のW杯アジア最終予選ウズベキスタン戦に向け、13日はさいたま市内で2日連続の非公開調整。中村俊は練習後に高さ2・44メートルのゴールを、本来のゴールの手前にもう1つ置き、ウズベキスタンの壁に見立てて、居残りFK特訓を行った。相手守備陣の平均身長は183・8センチ。高い壁を越えるFK弾で、勝利を呼び込む。

 異様な光景だった。非公開練習後、中村俊がたった1人でFK特訓を始めた。通常なら170~180センチの人形の壁を置くが、この日はゴール前にもう1つゴールを置いた。これまで誰も試したことがない特訓は約25分間続いた。2・44メートルの高さを壁に見立て、その上を越すFKを次々と決めていった。

 中村俊 この前の試合(バーレーン戦)で、GKはオレのFKをイメージしていると思うから。それなら今度は壁を越えて、巻くやつの方がいいと思って。その方が得意だし、いろんな球種とかスピードで駆け引きしながら勝負するよ。

 最終予選初戦となった9月6日バーレーン戦で、中村俊は地をはうようなFK弾を決めた。その映像は、相手も既に入手しているはず。ならば、今度はカーブをかけながら壁を越すFKで、相手の意表を突く作戦だ。ウズベキスタン守備陣の平均身長は183・8センチと高い。キック時にジャンプすれば、ちょうど2・44メートル近くまで到達すると考え、ゴールを壁にする仰天発想が生まれた。

 流れの中からも、得点へのイメージを膨らませた。第1次岡田政権の初陣(97年10月11日)も、ウズベキスタン戦だった。まだ代表に招集される前の中村俊はテレビ観戦し、MF森島(C大阪)の動き出しの速さに驚き、サッカーノートに記した。11年たった今、同じように動き出しが速い大久保、岡崎らを操る。

 「(大久保)嘉人、岡崎クン、香川クンとも個性を出そうというのが出ている。その辺(の連係)は問題ないと思う」。決戦はいよいよ15日に迫った。準備は万全。自分の力を信じ、中村俊がピッチへと向かう。【益子浩一】

 [2008年10月14日9時19分 紙面から]


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