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俊輔「カズになる」代表若手の教育係に

中村俊輔は五輪世代の「教育係」として日本代表の底上げを目指す
中村俊輔は五輪世代の「教育係」として日本代表の底上げを目指す

 【ビジャレアル(スペイン)29日=山本孔一通信員】セルティックMF中村俊輔(30)が、北京五輪世代の「教育係」となって、岡田ジャパンの底上げを目指す。日本代表のメンバー発表を受け、若手の新加入を歓迎。自身は代表初招集時にFWカズ(三浦知良、横浜FC)から多くの影響を受けており、それにならうように、ピッチ内外で五輪世代を鍛える考えを明かした。この日は欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグ・ビジャレアル戦(30日=日本時間10月1日)に向けて、敵地入りした。世界舞台で次世代への手本を示す。

 10年前の自分の姿が、頭に浮かんだ。なじみのない名前が連なった招集メンバーが伝えられると、中村俊は新たに果たすべき役割を自覚した。「五輪世代は、まだ伸びる」。中村自身、00年シドニー五輪後にA代表への道が大きく開いた。代表とクラブで培った世界レベルの経験を、若い世代に伝える絶好機だ。

 中村俊 新しい選手が何人かいる。自分が代表に初めて入ったときは、カズさんに声をかけてもらって、やりやすかった。新しい選手がプレーしやすいように、言葉をかけるだけじゃなく、グラウンドでも動きやすいようにしてあげたい。そうすれば(日本代表の)底上げができる。

 中村俊がA代表に初招集されたのは98年2月、第1次岡田体制下のオーストラリア合宿で、W杯フランス大会開幕を4カ月後に控えていた。メンバー生き残りへピリピリムードが漂う中、当時プロ2年目の19歳だった中村は誰とも口をきけず、自分の居場所さえ分からなかった。

 そんなとき、真っ先に声をかけてくれたのは長年、代表でエースを務めたカズだった。「自分のペースでやればいいんだよ」。練習法やピッチ外での過ごし方などを教わり「世界にアンテナを向けたい」と、欧州行きを目指すきっかけとなった。Aマッチ通算79試合出場の中村俊の立場は、10年前のカズと重なる。

 新たな代表メンバーと対面する前に、世界で戦う「お手本」を示すつもりだ。欧州CLでビジャレアルとの大一番がある。ホームでの初戦オールボー戦を引き分けており、決勝トーナメント進出へ、今回は負けられない。「(相手は)ピレスがおれのサイドにいる。動き回って、後ろから追いかけて、守備でも攻撃でもアタックする」。元フランス代表MFを相手に、真っ向勝負を覚悟していた。

 [2008年9月30日8時15分 紙面から]


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