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遠藤PK職人芸GKの逆へ/W杯予選

前半44分、MF遠藤は冷静にPKを決める(撮影・鹿野芳博)
前半44分、MF遠藤は冷静にPKを決める(撮影・鹿野芳博)

<W杯アジア最終予選:日本3-2バーレーン>◇6日(日本時間7日)◇A組◇バーレーン・マナマ

 遠藤保仁(28)がいれば負けない。1-0の前半44分。中村俊が得たPKを、当然のように任された。GKと対峙(たいじ)する。いつものようにゆっくりボールに接近すると、我慢比べに耐えきれず、GKが左に動く。それを見て、逆側のゴール右隅に流し込んだ。まさに職人芸だった。

 遠藤 向こうがボクの(独特の)PKを知らんかったんだと思う。簡単と言えば、簡単。あんなに早く(先に)動いてくれたからね。

 不敗神話を守った。岡田体制で、遠藤が先発した試合は8勝5分け。先発漏れした3月26日バーレーン戦、欠場した8月20日ウルグアイ戦で日本はいずれも負けた。遠藤の存在の大きさを知るからこそ、岡田監督は「代表の中心」と言って早い時点で先発を確約。ジーコ体制では欧州組が加われば行き場をなくしていたが、今の代表は遠藤抜きに語れない。

 気温37度、湿度60%の過酷な環境で、体力の限界まで走った。北京五輪のオーバーエージ枠辞退の理由となったウイルス感染症による長期離脱の影響で、まだ万全とは言えない。本人は「もう大丈夫です」と弱音を吐かないが、今遠征中は顔に湿疹(しっしん)ができた。宿舎では睡眠を十分にとり、食事にも気を配った。100%ではない中でもフル出場し「今日はさすがにバテましたけどね」と苦笑した。W杯への道は、長く険しい。それでも日本の勝利の輪の中心に、必ず遠藤がいる。【益子浩一】

 [2008年9月8日8時30分 紙面から]


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