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Ｗ杯帯同組発表、永井が相手国ＦＷに扮す

: 代表のレプリカユニホームを着て、意欲を見せた福岡大ＦＷ永井

　仮想ロッベン、エトーはお任せ！　日本サッカー協会は１７日、Ｗ杯帯同メンバーを発表。大学生の快足ＦＷ永井謙佑（２１＝福岡大）ら４人が選出された。永井は５０メートル５秒８、垂直跳び９０センチの高い身体能力が評価されたもので、２１日の代表合宿からＷ杯１次リーグで同組の「仮想ＦＷ」として、代表２３人の練習相手などをこなす。ただ、けが人が出た場合、代表入りする可能性も残されており、初の「大学生Ｗ杯メンバー」入りも夢ではない。

　高い運動能力、将来性を買われての帯同メンバー入りに意欲を見せた。「いいシミュレーションをできるよう一生懸命やりたい。いい経験にして成長につなげたい」と意気込んだ。１次リーグで対戦する相手の俊足ＦＷ対策として白羽の矢が立てられた。世界屈指の俊足、瞬発力を誇るカメルーン代表ＦＷエトー、１００メートル１０秒台で身長１８０センチのオランダ代表エースＦＷロッベン…。スピードでＤＦの背後のスペースを突かれたりした際の格好の「仮想ＦＷ」というわけだ。

　九国大付時代、身長が１５センチ伸び、成長と同時に足も速くなったという。体育祭の２００メートル走では全国レベルの陸上部員を抑えて１位でゴールするほどだったが、「俊足」は福岡大入学で進化を遂げた。入学後、各世代代表とサッカー部の掛け持ちなどもあり伸び悩んでいたため、乾真寛監督（５０）は０８年に「スペシャルトレーニング」と命名した筋トレを導入。整骨院勤務の吉塚亮一トレーナー（４７）を招き、潜在能力を引き出させた。

　プロゴルファーや競輪選手のトレーニングも手がける吉塚トレーナーによると「筋肉全体がまりのよう。瞬発力が並外れている。速い短距離選手はダッシュ力か加速の筋肉が発達しているが、両方の筋肉が備わっている。珍しい筋肉ですよ。鍛え方次第でまだまだ成長する」という。瞬発力にすぐれた快足に加え、垂直跳びはバレーボールのプロ選手並み。昨年、鋭い切り返しや緩急をつけたスピードで総理大臣杯制覇にも貢献した。

　アクシデントがあれば、大学生として初めてＷ杯メンバーになる可能性も高く「ステップアップにつなげたい」。１４年Ｗ杯ブラジル大会の代表入りも見据えていた。【菊川光一】

　［2010年5月18日8時54分　紙面から］