初先発森本反転シュートで初弾/親善試合
<国際親善試合:日本5-0トーゴ>◇14日◇宮城ス
日本待望のストライカー、FW森本貴幸(21=カターニャ)が、日本代表初先発で初ゴールを決めた。国際Aマッチ出場2試合目となったトーゴ戦で先発出場。2-0で迎えた前半11分、DF長友佑都(23)の左からのクロスをゴール前で受け、相手マークを背負いながら反転ターンして、3点目をゴールに突き刺した。セリエAで研ぎ澄まされた若き才能が、8カ月後に迫ったW杯の貴重な戦力として存在感を示した。エースFW岡崎慎司(23)の出場2試合連続ハットトリックもあり、日本が主力を欠くトーゴに5-0で圧勝した。
若きストライカーが一瞬にして本能をむき出しにした。前半11分。長友のクロスを受けた森本は、背後の194センチ、85キロのDFアキンソラをがっちりとブロック。次の瞬間、鋭く反転して右足を振り抜いた。「イメージ通りのボールが来た。点を取れてよかった。感覚で打ちました」。代表戦2試合目、初先発で初ゴール。お得意の飛行機ポーズで喜びを表す背番号28は、瞬く間に歓喜の輪に包まれていった。
前半45分間のみの出場で段違いの存在感を示した。ベスト布陣ではないとはいえ、W杯予選出場メンバーもいたトーゴの守備陣の当たりにもビクともしないポストプレーと、たぐいまれな得点感覚。初めて同時出場した長友が「前線でキープしてくれるので、ぼくらも上がりやすい。常にゴールに向かっているし、(その動きを)もっと見てあげれば、もっと点が取れる」と絶賛したほどだ。
MF中村憲が以前から「(反転の)腰のキレはすごい。彼の(周りには)独特の空間がある」と証言するプレーは、セリエAでの経験によって醸造された。「サッカーを極めたいならセリエAと思っている」。世界一守備の厳しいイタリアで得点を積むことが、自分を成長させる近道―。そのプライドを胸に異国で過ごした3年間が支えとなる。
岡田ジャパンにとって、W杯本大会に向けて「鍵」となるストライカーの誕生だ。強靱(きょうじん)な肉体を生かして得点を狙い続けるスタイルは、既存のFW陣とは異質のタイプ。この日、初競演となった中村俊、遠藤ら日本が誇る中盤との連係も「動けばそこにパスが出てくるから、それを繰り返した」と手応えをつかんだ。
不動の戦力となるためには課題も残る。岡田監督は「2試合目で点を取ったことは素晴らしいし、切り札としてならやっていける感触はある」と評しながらも、あえて「先発としてはまだやらなくてはいけないことがある」と続けた。DF闘莉王も「1歩先を考えて動きだすことをこちらが要求しないといけない。今はちょっと(チームと)違うリズム。出番が増えればもっとよくなる」と、さらなる成長を求めた。
ただ、中村俊が「(試合の)半分に出て1点を取るのは21歳だし素晴らしい」と言い切った才能は「W杯4強」の目標達成に必要不可欠。この日は課題の守備面でも自陣まで戻り貢献する姿があった。「自分は自分の居場所で頑張って毎日努力していきたい」と言い切った森本が、日本の最終兵器になる。【菅家大輔】
[2009年10月15日8時18分 紙面から]
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